『指導と評価』編集後記(特集:学力向上のための校内研修)

※記事の一番下に雑誌記事の現物(PDF)があります。

 

以前、あるテレビ番組で対照的な2つの学校の会議(学年会)の様子を撮影したビデオをお互いに見合って感想を述べ合うという企画があった。一方の学校の会議は整然と進められているが、教員はみな無表情でことばをほとんど発していなかった。もう一方の学校の会議は無駄なおしゃべりは見られるが、みんなが和気あいあいとことばを交わしていた。 

 

校内研修というと、勉強すべき内容面ばかりに目が行きがちであるが、本当に大切なのは各教員がそれぞれの力を発揮してその内容を実行できる雰囲気をいかに校内に作るかということではないだろうか。筆者の学校でも個人の教員が大きなミスをすることが過去に何度かあったが、その多くはその教員が所属する集団(教科、学年、分掌等)内で平素から心を開いてことばを交わし合っていれば防げたのではないかと思われるものである。したがって、管理職や研修主任が考えることは、まず職場の人間関係作りをすることである。児童・生徒に良好な人間関係作りを指導する教員自身が心を開いて意思疎通できるようになることが、実のある校内研修を行うことの第一歩である。  

      

(『指導と評価』2016年8月号、図書文化)

 

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指導と評価2016年8月号「編集後記」.PDF
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