改めて述べたい、「なぜ『終礼の話』なのか?」

「終礼の話」を少しずつアップすることで、本ホームページを“更新扱い”にしたのは、今回で何度目になるでしょうか。「11. すべての学級担任兼英語教師に捧げます」にもあるように、筆者はこの「終礼の話」が自分の英語の授業を成り立たせるための最大の土台作りだと思っています。

 

各話を読んでいただければわかりますが、それぞれの話に「きっかけ・ねらい」というものがあります。その話を生徒にしようと思ったきっかけと、その話による期待される教育効果がそこに書かれています。英語の授業に直接関係のないような話もありますが、そういう話であっても間接的に、“ボディー・ブロー”のようなジャブとして効果を発揮するものだと思っています。

 

また、学級担任としては、自分が受け持つクラスを生徒にとって居心地の良い環境にするという使命を実現する方法の1つでもあります。本実践を初めて紹介した「7. すべての指導法や指導内容を支える実践」では新年度を迎えるにあたって大切な取り組みの話を、先述の「11.‥」では学級開きのときに参考にしていただけそうな話を紹介しました。今回は、新年度が始まってからしばらく経って、自分のクラスをどう導いていこうかと思い始める頃の話を、『終礼の話』と『続・終礼の話』よりそれぞれ1つずつ紹介します。

 

この2つの話は、2つの異なった時期の異なった学年に対して基本的に同じ話題で話しています。いずれも、「よいクラスにするにはどうしたらいいか?」ということを、教師の長年の経験から生徒に投げかけているものです。ただ、きっかけは両者で少し異なっています。前者は2年生のある日に聞いたある先生の発言を利用して話そうと思い立ったもので、後者は1年生の4月中旬にあらかじめ話そうと準備していたものです。

 

どちらの話も基本的に生徒のよい所をほめ、それを伸ばすことが生徒自身のためにもなるのだと話して、生徒をその気にさせることをねらっています。高校の教師から転身した自分としては、中学校の担任教師の腕の見せ所は、いかに生徒をその気にさせる“仕掛け”ができるかだということだとこれまでの経験でわかっています。それは、その“仕掛け”をするようになってから、それなりに「よいクラス」を作ることができるようになったからです。「終礼の話」はその“仕掛け”の最大の実践です。

 

よいクラス作りは担任が無策でいてはなかなかできません。今回ご紹介する話も参考にしていただき、先生ご自身ができる“仕掛け”をクラスの生徒達にしてみてください。それは英語の授業作りにも良い影響を与えるはずです。(5/6/2019)

 

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