レジェンド?

生徒A: Mr. Koinuma?

生徒B: Yes! Mr. Koinuma!

生徒C: Mr. Koinuma is a legend!

 

突然生徒がそう言うと、教室中から最後の発言の合唱が起こりました。そして生徒全員が優しい顔で筆者を見て微笑んでいます。平素、授業等でまったく関わりのない、一度も教えたことのない3年生の生徒たちからそう言われて、自分は校内の生徒にとってそのように思われているのかと、その場では恥ずかしさを隠すために苦笑いをするしかなかったのですが、後からその場面を振り返ると、なんだか少し寂しい気持ちになって、目が潤んでしまいました。

 

もっとも、3年生とはおよそ半年間にわたって玄関前で毎日検温のために挨拶を交わしたり、全校集会で話をしたり(「生徒を育てる話の法則」参照)していたので、少しばかりは筆者の存在を認識してもらっていたかもしれません。また、特に授業を見に行った3年2組の生徒の約4分の1とは全校週番の指導をとおしていろいろなことを話していたので(同じく「生徒を育てる話の法則」参照)、そういうことが生徒の発言につながった可能性もあります。もちろん、生徒がいきなり "legend" などという単語を持ち出すはずはありません。実は、教科書(One World)の legend となった人を扱ったレッスンを学んだ直後だったからでしょう。

 

今回中島先生の授業を見に行くことになったのは、とある私立大学の先生がゼミの学生3人を連れて授業見学にみえたとき、授業がなかった筆者がお客様を授業教室に案内しがてら一緒に見学をしようと思ったからでした。授業が始まると、いつものように明るくテンポの良いオープニングの挨拶の後に生徒に対してお客様の自己紹介(もちろん英語で)があり、ついでに筆者までわざとらしい自己紹介をさせられて教室が和やかな雰囲気になったところで、前時の本文の内容をクイズ形式の出題で思い出して表現するペア活動が始まりました。

 

ところが、一番後ろに座っている男子生徒の相手がいないことに中島先生が気づいて、"What are we going to do?" とつぶやいたところで、生徒から冒頭の発言が飛び出したのです。その“合唱”に押された中島先生に、"Mr. Koinuma, could you please be his partner?" と言われてしまっては、“OK.” と言わないわけにはいかなくなり、生徒たちと一緒に活動に参加しました。

 

活動は、ペアの片方だけが前時に学習した内容の写真を見て、後ろを向いているもう一方がそれをあてるというものでした。それを2回、役目を交代して行います。生徒にはおなじみの活動のようで、説明がほとんどないまま活動が始まりました。活動の説明をボーッと聞いていた筆者は、「えっ?いったい何が始まったの?」と少し焦りましたが、幸いにも筆者の側は"後攻"だったので、相手が説明しているうちに活動の意図とやりかたを理解することができました。

 

いよいよ2回目、筆者の側の番です。なんとか相手の男子生徒に答えを出してもらうことができました。ところが、各回の代表者に何と説明したかを披露するポスト・アクティビティーがあり、在ろうことか自分の回の発表者に筆者が指名されました。後に中島先生にそのことを問い質した(!)ところ、「前の方の生徒が Ask what Mr. Koinuma said. と英語で言うので乗っちゃいました!」だそうです。まったくもう…。しかし、そのおかげで単なる授業見学が忘れられない経験になりました。

 

ちなみに、筆者とパートナーな男子生徒との会話及び筆者のクラス全体への説明は以下のとおりでした。

 

<クイズ1>※不明

筆者:OK. What is it?

生徒:It's a building.  it has a light at night.

筆者:Is it a tall building?

生徒:Yes.

筆者:Where is it?  Is it in Tokyo?

生徒:It's near the sea.

筆者:Ah!  A lighthouse?

生徒:Yes!

 

クイズ2>※ワシのような猛禽類

筆者:All right....  It's a bird.  It's very big.  It's more than one meter wide.  It hunts animals.

生徒:Eagle.

筆者:I think so, but I'm not sure.

生徒:I think it's an eagle.

筆者:OK.

 

<発表>

筆者:I was not sure what we were doing, but I tried.  I said, "It's a bird.  It is very big, more than one meter wide."  And I said, "It hunts animals."

生徒達:Oh~! ※教科書本文に上記のような説明があったらしい。

筆者:Then my partner said, "It's an eagle."

 

いやはや、冷や汗をかきました…。(11/6/2021) 

 

「つぶやき」に戻る

「ホーム」に戻る