文法指導

ここで言う「文法指導」とは、参考書にあるような文法の説明や授業中に教師が講義調で文法の説明をする場面のことではありません。それよりも、「コミュニケーション活動と文法指導を両立できないか?」という点について議論します。

 

これは、以前から多くの英語教師が追い求めてきたことではないでしょうか。私自身、この件に関して1997年度の夏に面白い経験をしました。それは、偶然にも2つの学会(英語授業研究学会全国大会、全国英語教育学会)で、このテーマのパネル・ディスカッションの中学校代表ディスカッサントになったのです。私はこの分野のスペシャリストではありません。なのに、なぜ自分が選ばれたのか?それはきっと、それまでに公開した授業や研究成果の発表に、自分で意識している以上にコミュニケーション活動と文法指導がバランスよく入っているととらえられたからでしょう。

 

そこで、ここではいくつかの文法事項について、「導入」→「練習」→「コミュニケーション活動」という指導の流れをご紹介します。いずれの授業も、基本的にはすべて英語で授業を進める中で、生徒とのインターアクションを大切にしながら、理解から実際の運用までもっていく指導を心がけました。もちろん、どれも実際に指導したことを授業記録を元に再現したもので、机上の論理ではありません。

 

(1) 人称代名詞とbe動詞(『楽しい英語授業』第16号(明治図書,1999.4)に掲載)

 

(2)  一般動詞(三単現)(『楽しい英語授業』第17号(明治図書,1999.7)に掲載)

 

(3) 一般動詞(過去形)(『楽しい英語授業』第18号(明治図書,1999.12)に掲載)

 

(4) 比較級・最上級(『ニュー・サポート』第5号(東京書籍)に掲載)

 

なお、「授業は英語で」でも英語を使って文法指導を行う場面の紹介をしています。また、「新文型のオーラル・イントロダクション」のコーナーには、上記も含めて中学校3年間で教えるすべての文法事項のオーラル・イントロダクションを順次アップしています。

 

<追加記事> 

本コーナーは、新出の文法項目をいかに生徒とコミュニケーションをしながら論理的に導入するかという方法の例を示すことをねらいとしています。一方、論理性は置いておいて、視覚的に文法項目(主語、動詞、目的語等)をわからせるという指導もあります。そこで、そのような指導法の1つとして、「文法ジグソー・パズル」を用いた文法指導の例を拙著雑誌記事より紹介します。こちらは実際の記事のPDFのみです。タイトルをクリックしてダウンロードしてください。

 

○「文法ジグソー・パズル」で文法理解(『楽しい英語授業』第11号,明治図書,1997,7)

 

【文法や表現に関する指導内容に関する記事の紹介】

本コーナーの記事は、オーラルやその他の方法でいかに文法指導を行うかということに主眼が置かれた内容になっていますが、一方で各文法項目の指導内容そのものに関心がある先生もいらっしゃるでしょう。そのような先生のために、もう1つの拙著ホームページ『目から鱗が落ちる英語学習』をご紹介します。そちらの「文法や表現に関すること」のコーナーには、従来は当たり前とされてきた文法指導の“穴”、つまりまちがって指導されていたことを、一般の学習者のために説明した数々の記事があります。先生方にとっては、文法指導の改善に役立つものだと思いますので、どうぞ併せてご覧になってみてください。