(2) アメリカの大学生活

◇大学が始まる
 アメリカの大学の多くが2シーズン制を採っています。つまり、Autumn Semester(9~12月)と Spring Semester(1~5月)です。人によっては、これに Summer Session(7~8月) を加えて単位を稼ぐ人もいます。
 私は1年生として入学したのですが、事情を説明して4年生扱いにしてもらいました。こうすると、好きな授業をとれるからです。そして、いよいよ8月29日に授業がスタートしました。【写真は UNO のシンボルである Main Building】

 

◇英語がわからない!
 留学生に関する定説(?)として、「最初の3ヶ月くらいは英語がわからなくて苦労する」とよく言われますが、本当にそうでした。とにかくみんなしゃべるのが速く、やっとのことで単語を聞き分けても、それを頭の中で文にして日本語に訳している間にはもう次の話になっているという具合です。授業の方もクラスに外国人は私だけだったので容赦なし。「ヒエ~、まいったな~」という毎日が続きました。
 その上、自分の言いたいこともうまく伝えられず、次第にフラストレーションがたまってきました。本当に自分はここでやっていけるのだろうかという不安からでしょうか。最初の3ヶ月で7㎏もやせてしまいました。

◇アメリカの大学は厳しい
 日本の大学と正反対で、アメリカの大学は「入るのは易しいが、出るのは大変」です。でも、よく考えてみればこれが大学というものの本当の姿だと思います。さて、その大変さといったら半端ではありません。ネブラスカ大学では毎年1年生から2年生に上がるときに半数近くがドロップアウトするそうで、そこからもその厳しさがわかるというものです。
 ですから、4年生ともなれば気合いがちがいます。私は何とか言葉のハンデを補おうと授業を全て録音して繰り返し聞き、懸命にノートを作って勉強しました。そんな訳で、週末などは朝7時から夜中の2時まで勉強するなどということがよくありました。

◇色々な人たち
 日本では、大学生といえば現役で入った人か一浪または二浪の人でしょう。ですから、ほとんどの学生が18~23歳くらいだと思います。ところが、アメリカの大学ではそれらがむしろマイナーに感じられるほど年齢層は様々です。また、「専業学生」だけではなく、主婦、退役軍人、会社員、大学出直し組などの人が大勢いて、同じ年齢層で同じ境遇の人ばかりの中で過ごしていた日本の大学とはまた違った楽しさがありました。

 

◇これぞアメリカ!
 Autumn Semester では主に英語教育に関する授業をとっていたのですが、Spring Semester ではいかにもアメリカらしい授業をとりました。
 その1つが public speaking。つまり、上手なスピーチをするための勉強をする授業です。雄弁さが何よりも重視されるアメリカ。ここで相手をどうやって説得するかなどの理論と実践を学びました。私も5分間スピーチを4回やりました。
 もう1つは「映画の歴史と評価」。さすがは映画の本場。毎回映画を見て批評会を行うのです。映画好きの私にはこたえられない時間でした。
 いやあ、とにかく勉強しましたよ。【写真は Public Speaking で折り紙のスピーチをしているところ】

 

◇休みを利用した国内旅行

 せっかくアメリカに来たのに、留学した土地を一度も離れずに日本に帰るのはもったいなかったので、冬休み(クリスマス休暇)、春休み(学期間休み)、帰国直前の3回の期間を利用してアメリカ国内を旅行しました。訪れた州の数は計25です(通過しただけの州も含む)。その記録は別ページ「3. アメリカ大陸バス旅行」で詳しく紹介しています。

 

さて、次回は数々のエピソードをお話しします。

 

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