1. スピーチ活動

ここでは、高校OCAの時間に行っていいた「スピーチ」を紹介します。基本的な構えは、中学校2年生に対して行っていた「Show and Tell」と同じです。しかし、大きく違うのが話す内容を「自分の意見」としたことです。つまり、高校生の知的レベルや精神的レベルに合わせて、より自分の心の奥深くを語らせようとしました。題して「青年の主張」。はたして高校生はこの企画をどれだけ充実した時間としてくれるでしょうか。

 

では、活動内容を生徒に配布した実施要項で見ていきましょう。


Ⅰ 活動要項


Speech Time!: The Special Activity

1 目 標  
(1) 自分の伝えたいことを、今までに学習した英語を使って話せるようになる。
(2) クラスメートや先生の質問に答えたり、話しかけたりできるようになる。
(3) 発表内容に対して英語で質問したり、答えたりできるようになる。

2 内 容
(1) 発表者(1時間に2人:出席番号順男女各1人→1人1回発表)
 ①発表(3分間スピーチ) ②質問応答(by クラスメート、ALT)
(2) 聴取者(発表者以外の全員)
 ①発表聴取 ②質問 ③質問応答(by ALT) ④発表評価 ⑤話題に関するディスカッション (オプション:別紙参照)

3 手 順
(1) 授業前の準備
 ①原稿執筆話す内容を考えて原稿を書く。
 ②原稿提出遅くとも発表の1週間前には先生に提出する。
  →中学校英語科準備室(中学校正面校舎2F:玄関より入る)
 ③原稿指導・推敲先生に原稿を見てもらい、指導を受ける。
 ④原稿清書・暗記指導をもとに原稿を書き直し(清書)、暗記する。
 ⑤発表練習聴衆がいることを想定した発表練習を自宅でする。
  →しっかりと。原稿がよくてもここの詰めが甘いと失敗する。

(2) 授業中(司会進行は英語係)
 ①発表内容紹介
  ・授業前に、発表者は黒板の右半分に「タイトル」と「名前」を英語で書いておく(発表順)。
  ・司会者は発表毎に黒板に書かれている事柄を口頭で紹介する。
 ②発表
  ・発表者は原稿を見ずに十分な声量ではっきりと発表する。
  ・聴取者はクラスメートの発表を静かに聞き、内容を理解する。また、発表内容に対して質問を考える。
 ③質疑応答
  ・発表者はクラスメートやモニカ先生の質問に答える。
 ④発表評価
  ・聴取者は発表の様子を評価し、コメントを記入する(評価用紙)。

(3) 発表後
 ①発表のまとめ別紙「発表のまとめ方」を参考にしてノートにまとめる。
 ②ノート提出発表終了後、1週間以内に提出する。

4 評 価
(1) 方法
 ・教科内の他の評価項目との調整を図った上で学期末評価に加える。
(2) 内容
 ①発表点・・・・担当教師の評価点
 ②準備・事後処理点・・・・期限内の原稿提出、ノート提出、活動の充実度
 ③平常点・・・・発表を聞く態度、質問等への意欲、他

Ⅱ スピーチ原稿作成にあたって

1 原稿作成要領
(1) レポート用紙を使用し、クラス、番号、名前、タイトル、本文を書く。
(2) 本文は3分以内で話せる程度(普通は200語程度)とする。

2 原稿作成上の留意点
(1) トピック選び
 話題(トピック)は自由ですが、本企画の第一のねらいは「自分の意見を発表する」です。つまり、日頃から自分が考えていることを英語で発表してもらいます。自分のこと、友人のこと、学校のこと、社会のこと等、どこから切り込んでも結構です。ただし、注意してほしいのは、自分の趣味について発表する時間ではないということです。単に表面的な(しかもだれでも知っているような)情報を提供するだけのつまらない話はしてほしくありません。みなさんの年令にふさわしい視点と切り口で語ってください。
*元附属中の人は特に注意。Show and TellよりもDiscussion Time!に近い。

(2) 内容の構成
 スピーチは、大別すると情報提供型(informative)と説得型(persuasive)に分かれます。

 ①情報提供型・・・・ねらいは、相手の知らない情報を与えることにあります。ですから誰でも知っているようなテレビ番組やタレントについて話すのはダメ。みんなが知らないことを教えてあげようとするものがこれに当てはまります。
 ②説得型・・・・最終的なねらいは、自分の考えていることを相手に納得させ、場合によっては相手の考えを変えさせることです。そのためには単に主観的なことを言っているだけではだめで、時には具体的な客観的情報を利用する必要もあります。

 さて、本企画でねらっているのは2つめの「説得型」です。ある話題を取り上げ、それについての私見を述べる。そしてそう思うのはどうしてかという理由をできるだけわかりやすく相手に伝えます。もちろん、必ずしも相手を説得できるとはかぎりません。しかし、あの人の言うことにも一理はある、と思わせることはできるはずです。
 説得するほどではないが、情報を提供することで物事に対する新たな視点を与えるということはできるかもしれません。この場合は「情報提供型」になります。しかし、それでも単に情報を提供するだけでは本企画のスピーチとしては失格です。なぜそれを紹介するのか、自分はそれに対してどう思っているのか等、必ず自分の意見を入れてください。

(3) 話の柱の決定
 トピックが決まったら、どのような話の展開にしようか考えます。考えるべき項目には次のようなものが考えられます。
 ・最終的に伝えたいこと
 ・自分の考え、一般的な考え、反対意見
 ・具体的なエピソード
 ・自分の考えをサポートする他の人の考えや客観的資料  他    
(4) 原稿の作成
 話の展開が描けたら原稿を書きます。その際には次のことに注意しましょう。
 ①英語で書き出す
  すべて日本語で書いてから訳そうとすると、日本語の構造にとらわれすぎて英文ができなくなります。自分が表現できる英語で書いてみましょう。 
 ②辞書に頼りすぎない
  自分でわからない単語は相手が聞いてわかるはずはありません。できるだけ簡単な表現を使ってください。どうしても難しい語句や専門用語を使う場合は、それがどういうものであるかを直後に英語で説明してください(日本語訳は×)。それも勉強です。
 ③推敲する
  納得のいく原稿になるように何度も書き直してください。よりわかりやすい表現はないか見直し、「自分のことば」として完成するようにしましょう。

3 表現の実際
 ことばは十人十色。どんな言い回しても構いません。まして高校生のみなさんなら色々な表現方法を知っているでしょう。ただ、もしかしたらスピーチは初めてという人もいると思いますので、ポイントとなる表現をいくつか例示しておきます。参考にしてください。

(1) 話を切り出す
 ①何のことを話すかズバリ言う場合
 (例)・Hello, everyone. Today I'm going to talk about sexual harassment
    ・Let me tell you (that) we must think about handicapped people more.
 ②いきなり核心に入らず、興味付けから入る場合
 (例)・Have you ever been touched or harassed by someone in the train?
    ・Mr.A, please come here. Close your eyes and walk around the classroom.

(2) 意見を展開する
 ①誰かの意見(発言)を引用するとき
 (例)・Mr.A(You/Someone) said that ... ~だと言いました。
 ②誰かの意見に賛成(反対)するとき
 (例)・I (don't) agree with Mr.A. ~に賛成(反対)です。
    ・I (don't) agree to the opinion that .... ~という意見に賛成(反対)です。
    ・I (don't) think that Mr.A is right. ~は正しいと思います(思いません)。
 ③反論するとき
 (例)・I see Mr.A's point, but.... ~の言っていることはわかりますが・・・
    ・Mr.A may be right, but.... ~は正しいかもしれませんが・・・

(3) 話を終える
 ①話が終わりだと伝える
 (例)・That's all. Thank you.
    ・This is the end of my speech. Thank you for listening.
 ②質問や意見を受け付ける
 (例)・Do you have any questions or opinions?
    ・Please tell me your opinions to this topic.

*あとはあなたの工夫次第。仲間を、教師をうならせる発表をしよう!

 

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