い~ロイロ大変です…

3月頭から約3ヶ月に及ぶ臨時休校。一番大変だったのは児童・生徒たちですが、先生方にとっても本当に大変な期間だったことでしょう。緊急事態宣言が早めに解除された道府県ではすでに学校が再開されているところもあるでしょうが、都内にある筆者の勤務校は6月1日に再スタートを切ることになっています。ただ、当分の間は分散登校・オフピーク通学(多くの生徒が電車・バス通学だからです)という形を採らなければならないので、元通りからはほど遠い形での教育活動でしかありません。

 

ところで、先生方の学校における臨時休校中の学習指導はどのようなものであったでしょうか?新聞やテレビのニュースによると、公立の場合は遠隔授業を行えたのはほんの5%ほどで、ほとんどの学校がプリントによる自習であったと聞きます。そのような中で、勤務校では「ロイロノート・スクール」というアプリを使った学習指導をGW明けから行ってきました。これは、生徒はアプリ上の「ノート」と呼ばれる画面に「資料箱」からカード形式の学習課題を取り出し、その課題を行うというものです。もちろん、放ったらかしでは生徒が学習するかどうかわからないので、同じくカードを使って「提出箱」に課題を提出させるようにしています。4月の約1ヶ月間をかけて家庭に受信設備の整備をお願いして実現したものです。

 

さて、ここからが「つぶやき」です。このロイロノートによる「遠隔授業」は、英語科の、特に1年生を担当する教員(つまり、筆者ともう一人)にとってはまさに“地獄”のようなものでした。いや、これからもしばらく続くので、「"~"です」としましょう。1回分の課題を作るのに、2人合わせると平均して延べ20~30時間くらいかかっており、1週間分(5月は週3時間分の課題を作成)を作るのに60~70時間くらいかかっています。

 

なぜそれほどの時間と労力がかかるのかと言うと、まるで授業を受けているかのような内容にしようとしているためです。音声や場面設定の映像なしにプリントの指示だけで学習させようとしても、英語の場合は、生徒がこちらが想定していることを学ぶことができないと考えたので、どの学年でも結果的にそのような指導(学習)内容になりました。特に1年生はより丁寧な指導が必要です。

 

すでに3週、計9時間分の教材を作成しましたが、その作成過程は以下のとおりです。

 

1. 1ヶ月分の指導計画を作成する→学校に提出

2. 指導計画を元に各授業の構成(指導案)を作成する(同僚と相談)

3. 具体的な指導過程を文字起こしする→シナリオを共有(同僚と相談)

4. 英語科4人で新文型導入のビデオ撮影をする(他学年の先生が生徒役)

5. 解説カードの作成を行う(パワーポイント)(学校or自宅)

6. 解説カードを使って解説音声を録音する(放送室or自宅)

7. 練習用の視覚教材を準備する(学校)

8. 4~7を使ってビデオ編集を行う(自宅)

9. 課題提出カードを作成する(自宅)

10. 8と9をアプリ上の「資料箱」に投入する(自宅)

11. 「提出箱」を設置する(自宅)

12. 10を公開する(毎週月曜日朝)(学校or自宅)

 

4~8の作業は、新出文型の導入だけではありません。毎年この時期に1年生では文字(音とつづり、文字の歴史等)の指導(音とつづり、文字の歴史等)や語彙(授業や日常生活でよく使いそうな語)の指導も行っているので、どの時間にも「表現の学習」、「語彙の学習」、「文字の学習」の3つがメニューに入ります。これに必要に応じて別の項目(6月分は「基礎英語の復習」を追加)も入る訳なので、膨大な作業量となるわけです。 

 

6月からは分散登校の授業とロイロノートによる指導の二本立てになっており、両方をこなすのはこれまで以上に大変なことになるでしょう。英語科では「この『ロイロ地獄』を何とかしよう!」が合い言葉のようになっていますが、毎回全員から送られている「受講レポート」に「わかりやすかったです!」「面白かったです!」「先生方が楽しそうな人で良かったです!」などという感想をもらってしまうと、誰も“やめられない症候群“から抜け出せません。あ~あ…。(5/30/2020)

 

<お断り>

と言うことで、5月中は本ページの新規記事を書く余裕がありませんでしたので、先週末と今週末は「つぶやき」以外の記事の更新はできませんでした。6月は…。う~ん、生きていれば(?)、「つぶやき」くらいは更新するかもしれません…。

 

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