ちょっと怖くて面白い話

新型コロナウィルスの感染が終息しない中で、勤務校では連休前に親大学の方針で5月いっぱいまで臨時休校を延長することが決まっていました。生徒の学習支援はロイロノート・スクールを使って行うことになり、4月中からその試行を行ってきましたが、いよいよ5/11月曜日から本格的な運用が始まります。筆者も、英語科の仲間と連休中にZoom会議で指導計画を作成したり、学校で一緒に教材作りなどをしています。とはいえ、多くの教員が電車で遠方より通勤する(筆者は約1時間半、中には新幹線通勤の先生もいる)勤務校では、なかなか思うように作業が進みません。

 

一方、学級担任の先生たちは、電話で一人一人の健康状況や学習状況をチェックしたり、Zoomを使ってホームルームや保護者会を開いたりしています。先生方は大変な労力でさぞ疲れているだろうと思いますが、やはり自分のクラスの生徒や保護者と顔を合わせて話ができるとやる気が出てくるらしく、みんな張り切って仕事をしています。半管理職のような立場になって4年間も学級担任をしていない自分としては、生徒と思いっきり話ができる先生方が羨ましく思えます。

 

さて、そんな筆者ではありますが、今回は筆者にとっては学級担任としての「昔取った杵柄」とも言える「終礼の話」の中から、"もっとも盛り上がった、とんでもない話"を紹介しましょう。その話の骨格は、生徒にあることを伝えるのに筆者が大嘘をついたというものです。しかも、その内容は生徒に緊張感を与えるようなものでした。そして、その嘘を筆者があまりにも真剣に話したので、生徒はみなそれを信じてしまいました。途中で段々とその話が嘘であることを明らかにしていったのですが、その段階で生徒は大騒ぎになり、果ては「先生、ひどいですよ!」や「悪質!」の連呼となったり、「お腹が痛くなってきてしまいました」という生徒まで出てきたりすることになったのでした。

 

ちなみに、昨年3月に高校を卒業した生徒を集めて本著『続・では、最後に先生のお話です。』(通称「続・終礼の話」)を配付したときに、その4年前に話したこの話をほとんどの生徒が覚えており、みんなが「あの話はすごかった」などと盛り上がって振り返ってくれました。タイトルは多くの生徒に攻められた発言を取って「55. 先生、ひどいですよ!」です。そして、その話の前段ともなった「54. 悩みの相談があります」も合わせてアップしました。後者の話から読んでいただくと、なぜ前者でそんな大嘘をついてまでその話をしたのかをご理解いただけるでしょう。

 

この話をこれまで取っておいてここでご紹介できるのは、不幸中の幸いだったもしれません。臨時休校が長引いて気分が落ち込みがちですが、今回の話を読んでいただいて、しばし笑っていただき、「生徒に会えたら、また楽しく話をしよう!」と思うきっかけにしていただけたら幸いです。(5/9/2020)

 

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