1. ロイロノートとは?

ロイロノート(正確には「ロイロノート・スクール」)とは、教室内でインターネットを使って学習支援を行うためのプログラム・システム・アプリです。このアプリの詳細については同社のHPをご参照いただくとして、ここでは簡単にそれがどのようなものであるかをご紹介します。

 

冒頭に記したとおり、ロイロノートは元々は遠隔授業を支援するものではなく、授業中にインターネットを通して生徒同士が情報共有をしながら学習を行うためのシステムです。一人一人の生徒がパソコンやタブレットを持ち、そこに示された課題に個人やグループで取り組み、その結果を提出します。提出された課題は生徒同士で画面上で共有することもできます。これらの作業を、パソコン内や校内のサーバー内で行うのではなく、インターネット上の同社サーバーで行うのが特徴です。

 

課題は「カード」という形で示されます。カードのサイズは通常は4:3で、色も数種類用意されているので、目的や気分で選ぶことができます。したがって、教員がまず行うのはこのカードを作成することです。文字サイズは15, 20, 30, 40, 50, 80ポイントから自分で選べる他、書いた量によって自動調整もされます。カードと言っても、その気になればA4判1枚くらいの文書を書き込むこともできます。文字はキーボードで打ち込むのが基本ですが、手書きで書くこともできます。また、パワーポイントを使って図表などを入れたものをJPEGファイルでそのままカードにすることもできます。さらに、カードには音声を録音できるほか、動画をアップロードすればそれが1枚のカードになります(これらの場合は16:9になる)。

 

それらのカードは単独で示すこともできますが、複数のカードをノート上でひものような矢印でつなげば(英語科ではこれを「トレイン」と呼んでいます)、連続してそれらを再生することもできます。つまり、複数のカードを作成すれば、一連の指導内容を構成することができるというわけです。1年生は各ピース全体をビデオにしてしまったので、カードの数はそれほど多くありませんが、他学年(や他教科)では1コマ全体だと数十両(枚)のトレインになっています。

 

なお、実際の課題の例は「5. 指導計画と指導内容」で見ることができます。

 

すべてのカードは「資料箱」に一端保存されます(見やすくするためにフォルダーを作り、そこにアップロードしておきます)。生徒は好きなときにカードをそこから取り出して課題に取り組みます。最初に行うのは、そのカードを一端「ノート」という画面に置くことです。そのノートには好きなだけカードを置くことができます。本システムがロイロ"ノート"と呼ばれるのは、おそらくこのやり方を指しているのでしょう。 

 

↑ログインして最初に入る画面(教員用)。左に担当学年・教科のボタンがある

 

↑あるクラスのボタンを押すと入る画面。ここでまずノートを作成する。

以前に作成したノートを呼び出すこともでき、新規のノートを作ることもできる。

 

↑新規のノートを作ったところ。ノートにはまだ何もない。

生徒は左の「資料箱」から課題を取り出す。

 

↑資料箱の中。左は課題をフォルダーごとにまとめた一覧。

 

↑資料箱の5月第3週(第1回~第3回)のフォルダーを開いたところ。

左に学習カード(トレイン)の一覧がある。

↑資料箱からノートに第1回の学習カード(トレイン)を出したところ


↑学習カードのトレインを開いたところ。全てのカード(黒いカードはビデオ)が示される。

カードの下の名前は自分以外の作成者の名前(名前がないカードは自分が作成したもの)

↑最初のカードの再生画面。下部に全てのカードのどれが再生中か示されている。

 

 

生徒は学んだ内容や課題の回答を直接そのカードに書き込みます。記入方法はテキストで打ち込むこともできますし、タッチ式画面の機器であれば手書きで書き込むこともできます。また、マイクがあれば音声を吹き込むこともできます。そして、生徒はそれを「提出箱」に入れて(ドラッグ&ドロップ)提出します。提出箱には任意の提出期限を設定できますが、期限を過ぎても提出は可能です。

 

「提出箱」に返信された課題は、生徒毎にサムネイル表示された一覧表で確認でき、クリックすれば個々の生徒のカードが拡大表示されて読むことができます。また、「共有する」というボタンを押せば、それらを生徒同士で見ることもできます。さらに、提出されたカードにコメントをテキストまたは手書きで書き込んで、返信することもできます。

↑提出されたカード(第3回の課題)の一覧表(サムネイル画面)。生徒氏名は消してある。

 

また、「質問箱」というものもあり、生徒はそこに質問内容を書いたカードを提出することもできます。教師はそれを読んで直接そのカードに返信したり、まとめて別のカードに返答を書いて個人や全員に送ったりします。

↑質問箱を開いたところ。パソコンの画面がタッチ式であれば手書きで返事が書ける。

 

このように、個々の作業は一方通行でありながら、双方がカードをやりとりすることで、インタラクティブな活動ができるところがロイロノートの特徴と言えるでしょう。

 

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