9. 新たな利用法の可能性

ロイロノートによる遠隔学習指導は、6月第5週(7月第1週)をもって一端終了しました。しかし、使用ライセンスは来年(2021年)の3月まで残っているので、これを使わない手はありません。そこで、成果も課題を含めたこれまでの利用実績を踏まえて、有効な利用法に関する今後の可能性を考えてみます。ただし、ここでは授業中に利用する方法ではなく、あくまでも家庭学習を支援するという視点での新たな利用法について述べたいと思います。

 

(1) ロイロ学習の復習教材として

ロイロの学習では復習があまり行われていないことを前々頁で述べました。もっとも、その1つの理由は、今回アップしたロイロの教材は復習には不向きであるということもあるかもしれません。すなわち、既存の18回分の教材はいずれも授業で教える内容の再現にこだわって作ったために、導入→解説→練習→まとめという一連の指導過程がそれぞれのビデオの中に含まれており、練習の部分だけをズバリ行うということが難しくなっているのです。

 

ロイロの学習で示した内容はすべてしっかり復習させたい。しかし、復習をするには面倒なピースである…。そこで、過去18回分のすべての学習内容のビデオから練習に必要な部分だけを抜き出したピースを作成し、それを「復習専用フォルダー」を設置してそこに入れておこうと考えています。

 

しかし、ただ復習専用のピースを置くだけでは、生徒が利用してくれるかどうかわかりません。そこで、生徒がぜひとも復習にそれらを利用したくなるような"仕掛け"を考えたいと思います。具体的には、各練習専用ピースの項目名を縦軸に、それらを練習した回数を記録する欄を横軸に設けた「復習記録カード」のようなものを作ることがその1つです。生徒は、各練習項目に取り組む度にそのマスを塗りつぶし、多く練習すればするほど多くの枠を塗りつぶすことで、自分の学習の度合いが見えるようになります。他の生徒と競わせるようなことをするつもりはありませんが、自分の中にある内なる動機を刺激するような指示は与えたいと考えています。

 

実は、2020年7月の時点ですでにこれを実行しており(「ロイロ学習練習専用ファイル」フォルダー)、「目指せ!英語マスター」カードという記録用紙を使って生徒たちが一所懸命復習に取り組んでいることがわかっています。

 

(2) 通常の授業の復習教材として

勤務校では、1年生から3年生まですべての生徒が学校で学習した内容の一部を録音して持ち帰り、家庭学習で利用するという家庭学習のシステムを長年実施してきています。録音用のデバイスはかつてはポータブル・テープレコーダーを使っていましたが、2010年頃からSDカード式のICレコーダーに順次切り替えて今日に至っています。

 

4人の教師が同時に使えるように、ICレコーダーを42台(1クラス41人分+予備1)×4セットを準備し、それを授業中に生徒に貸し出します。生徒は自分が持っているSDカードをそれに差し込んで録音し、SDカードだけを家に持ち帰って、自分が持っているデバイス(パソコン、タブレット、ICレコーダー等)で聞いて練習を行います。前年度までは全学年ともこの方式でほぼ毎時間使用していましたが、新型コロナウイルス感染症予防対策の観点から(機械を共有することによる感染が心配なため)、2020年3月より使用を中止しています。

 

そこで、その代替策として利用を考えているのがロイロノートです。使用法は簡単です。本来であれば授業中に録音するであろう内容を教師がレコーダーで録音し、それを授業があったその日のうちにロイロに上げておきます。生徒はそこに行けばその日の復習教材を見つけることができ、ノートに取り出して練習をすることができるというわけです。

 

実は、こちらも2020年7月の時点ですでに実施しており(「教科書音読練習ファイル」フォルダー)、生徒が日々の授業の復習に利用していて好評です。初期にアップした具体的な内容としては、①教科書本文のリピート音源(教師の声)、②教科書本文の役割分担音読の音源(教師の声)、③教科書本文の個人練習の指示、などです。モデル音声は購入させている生徒に教科書CDを使わせています。

 

(3) 定期考査のリスニング問題の音源の設置場所として

勤務校では、定期考査の問題構成のうち、1年生の最初の定期考査で約80%、3年生でも30~35%は放送による問題です。そして、考査終了後には「テストノート」という勤務校独自の課題があり、リスニング問題も分析対象です。

 

以前の指導では、その音源は考査後にある考査の「再実施」という復習の時間にICレコーダーで録音して持ち帰らせていました。しかし、上記のような理由によりそれもできない状況なので、その代替措置としてロイロを利用することを考えました。

 

実は、こちらもすでに実施しており(「確認テスト放送問題音源ファイル」フォルダー)、7月下旬に行われた「確認テスト」(前期中間考査に代わるもの)後の指導で利用しました。また、それ以前にも前年度までの放送問題をアップしておき(「確認テスト放送問題練習用過去問」フォルダー)、生徒のテスト対策に利用させました。

 

なお、(2)と(3)の利用に関して、授業で録音させていたときには、途中で電池が切れてしまったり、録音ボタンを押し忘れてしまったり、そもそもSDカードを忘れてきたりして、録音ができなかった生徒が少なからずいましたが、この方法を採ることで、誰でも気軽に確実に自宅で音声教材やリスニング問題の音源を聞くことができるようになりました。

 

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