申し訳ない思いとの狭間で…

英語科では、現在4人のうちの自分を除く3人が学級担任をしています。その3人は年齢的にも働き盛りの年代の人たちなので、それぞれが多くの仕事を抱えています。一般校でも普通にある担任業務に加えて、本校ならではの仕事(入試、短期留学、大学との連携関係、大学内の他附属との連携関係、等)もあり、毎日のように夜遅くまで仕事をしています。

 

一方、筆者はと言うと、3年前に患った大病のせいで業務軽減をしてもらっていることもあり、それまでやっていた教務部長(教務主任)を降ろしてもらった上に、責任ある立場の仕事を免除してもらっています。さらに、昨年度まで8年間就いていた「主幹教諭」から「教諭」に降りたことにより、管理職(校長、副校長)の補佐役もはずれました。

 

また、今年度は分掌が教務部から研究部に移ったために、入試業務からも離れて面倒な仕事がかなり減りました。研究部ではかつて4年間務めた研究部長も別の先生にやってもらっていて、各種の事務仕事は若い先生方にやってもらっているので、筆者は最年長の“ご意見番”のような立場になっています。

 

学級担任もない、分掌でも重要な立場でもない、ということは、授業以外の仕事がほとんどないということを意味します。フルタイムの給料をもらっていながら、時間給講師に毛が生えた程度の仕事しかしていないということです。他の先生方も過去に重要な立場でいろいろな仕事をしていた筆者に“雑用”をさせるのは申し訳ないと思っているようで、なかなかそのような仕事は回ってきません。

 

このようなことをお話しすると、「自分から申し出て働けばいいじゃないか!」と言われるかもしれませんね。筆者もそう思っています。しかし、学校の将来のことを考えると実際にそれを行動に移せない訳もあるのです。それは、長年本校に勤めていて多くの仕事内容を熟知している自分がその仕事を引き受けてしまったら、あと3ヶ月余りで定年退職した後にその仕事をする先生が困ってしまうだろうと思うからです。

 

そこで、実際の仕事はその仕事を中心的に行うことになっている先生に任せて、その先生にアドバイスをするという立場になるようにしてきました。教科の仕事しかり、分掌の仕事しかり、生徒指導しかり、です。

 

以前であれば、自分が与えられた仕事を自分ができる最高のパフォーマンスで行おうと精魂込めて行っていたつもりですが、立場が変わればそういう仕事のやり方は組織のためにならないようです。妻には以前から「あなたが自分でやってばかりていはダメ。その歳になったらきちんと後輩を育てなさい」と言われ続けてきたこともあり、現役最後の年は全体を俯瞰する目を持って仕事に臨むようにしています。

 

でも、やはり毎日遅くまで残って仕事をしている人を残して帰宅するのは、後ろ髪を引かれる思いがするものです…。(12/18/2021)

 

「つぶやき」に戻る

「ホーム」に戻る