教員採用試験あれこれ②

前回の「教員採用試験あれこれ①」(7/25アップ)では、教員採用試験の倍率に関する話題を取り上げました。そこで今回は…。いや、いや。タイトルこそ同じながら、前回のような真面目で重たい話ではありません。しかし、教員採用試験ならではの話題です。

 

もう10年くらい、いやもっと前の話だったでしょうか。新聞の社会面に兵庫県の教員採用試験中に起こったあるできごとについての記事が載っていました。それは、英語の試験の最中に虫の鳴き声がうるさくて、リスニング問題が聞こえなかったというクレームが相次ぎ、結局はリスニング問題の得点を合否判定からはずすことになったというものでした。

 

関東以西の人にはすぐになんのことかがわかると思いますが、東京より北に住んでいる人にとっては「?」かもしれません。犯人は「クマゼミ」です。昆虫図鑑では「日本で一番大きいセミで、『シュワシュワ』と鳴く」と紹介されています。

 

そのクマゼミの鳴き声がなぜリスニングを妨害するほどになるのかと言うと、実はその声の大きさよりも1本の木にいる数が問題なのです。筆者が初めてその洗礼を受けたのは、20年以上前に大阪で開かれた学会に行ったときでした。大阪城公園のすぐとなりにあるホテルに泊まったところ、翌朝はセミの"大合唱"がうるさくて5時前に目がさめ、それからはその騒音で眠れなくなりました。

 

関東の人にとっては、セミはたいてい1本の木に1~2匹いるくらいという印象がありますが、大阪あたりの木にはクマゼミが1本の木に数十匹いることはザラで、大きな木になると数百匹ということもあります。驚くべきは、数年前にNHKの朝のニュースで女性レポーターが「この木にはだいたい3,000匹のセミがいます」と言っていたことです。つまり、野菜や果物の幹にたかっているアブラムシのように木の幹や枝にセミがたかっているのです。これだけの数のセミに一斉に鳴かれたら、それはもう"騒音公害"です。

 

幸いにも、そのクマゼミはまだ関東の東京以北では繁殖していません。ただ、埼玉県の南部あたりまでは単独の鳴き声を聞くことはときどきあり(「23. ついに来た…」参照)、温暖化が急激に進んでいる状況では今後増えるのではないかと予想されています。虫好きの子供(筆者もそうです)にとっては新しい採集対象となりえますが、増えすぎると悩みの種にもなりますね。

 

そんな昆虫の話でした。あれっ?教員採用試験の話だったっけ…?(8/15/2020)

 

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