教え子の活躍

教師の楽しみの1つに、教え子の活躍があります。特に、テレビや雑誌、ネット記事などで教え子が活躍している場面を見つけると、家族や知り合いに「この子は自分の教え子なんだよ。」などと自慢したくなります。

 

筆者の勤務校(以下「本校」)は明治時代から続く伝統校であるためか、これまで多くの卒業生が各界で活躍しています。過去には鳩山一郎元首相や川口順子元外務大臣などの政治家、星新一や永井荷風などの文化人などもいます。宮崎駿が現在製作中のアニメ『君たちはどう生きるか』の原作者・吉野源三郎も本校の卒業生で、同小説の舞台となっている中学校は本校であると言われています。また、もう少し新しい人では、今や本業の狂言師としてだけでなく俳優としても大活躍している野村萬斎(野村武司氏)も本校の卒業生です。

 

ただ、これらの卒業生は自分が着任する以前に生徒だった人なので、自分の教え子とは言えません。筆者も一般に広く知られるようになってから知った人たちですから、彼らの中学生時代の人となりも人伝えや書物などで知るだけです。本コーナーで「35.『いだてん』と勤務校関係者」「87.『青天を衝け』と本校関係者」として取り上げた人たちもそのような人たちです。

 

そのような中で、現在テレビ、雑誌、ネット記事などでよく顔を見る自分の教え子が何人かいます。いずれもバラエティー番組などで活躍している人たちですが、中学生の時にはすでにその片鱗が見えていました(詳しくは言いませんが…)。

 

平成19(2007)年度の卒業生で、お笑いコンビ「G○ン○ンダ」のH君とI君は、筆者の担任学年の卒業生です。また、同じ学年には、同じくお笑いコンビ「○○Club」の片方・O君もいます。彼らはお笑い番組やNHKの語学番組等で見ることができます。3人とも3年間英語を教えた生徒たちですが、H君は1年時に筆者の担任クラスの生徒でもありました。この学年の担任クラスには以前に「東大卒のJリーガー」として話題になったS君もいます。彼は現在、現役を退いてある社会人サッカークラブの取締役社長を勤めています。

 

平成27(2015)年度卒業の担任クラスからは、テレビ番組『クイズ○○王』に毎週出ているOさんを見ることができます。また、彼女より学年が2つ上で4年間同番組のレギュラーであるSさんも本校の卒業生です(残念ながら筆者は彼女を教えませんでしたので、『教え子』とは言えませんが…)。2人とも英語が上手であることが前面に出されていますが、本校の英語教育がまちがっていいないことを証明する広告塔となってくれています(笑)。

 

ただ、こうして日常的に教え子の顔をテレビやネットで見ていると、なんだか不思議な気分になってくるものです。目の前のメディアに登場している自分の知っている人たちは、はたして本当に自分の教え子だった人なのか…。あの子たちはもう遠くに行ってしまって、自分のことなど忘れてしまっているのではないか…。もちろんそれは、中学校を卒業してから何年も経っているのにも関わらず、自分の記憶の中の彼らは在学当時のままであるからかもしれません。教え子の活躍は嬉しい反面、一抹の寂しさを感じさせることもあります。(3/20/2021)

 

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