(3) 日常のエピソード

◇年較差は70度以上
 私が住んでいたのはネブラスカ州(Nebraska)ですが、多くのみなさんはそれがどこにあるかさえも知らないでしょう。場所はアメリカ合衆国のちょうど真ん中あたりで、midwest(中西部)と言われている地域に属します。けっして大きな州ではありませんが、東西が800㎞もあります。東は Iowa 州、西は Colorado 州、北は South Dakota 州、南は Kansas 州です。 
 したがって、気候は内陸性(大陸性)で、夏は40℃以上、冬は-30℃以下になります。ちなみにその年は最高が41.5℃、最低が-31.5℃でした。
<-30℃とは?>
 ・ジーパン1枚で5分も外を歩くとひざが痛くなって歩けなくなる。
 ・空気中の水分が凍ってキラキラと美しく舞う現象(ダイヤモンド・ダスト)が見られる。
 ・鼻水か凍って鼻を動かすとパリパリと音をたてて壊れて、鼻の穴からパラパラ落ちてくる。

◇リスは同居人
 アメリカはその国土の広さから自然の宝庫でもあります。それに、日本では山に行かなければ見られないような動植物をごく日常の生活の中で見ることができます。
 例えばリス。私が住んでいた家は閑静な住宅街にありましたが、木が1本あればリスが1匹いるという具合でした。私の家の木にもリスが住んでいて、エサを放ると恐る恐る近づいてきてはサッとそれを取っていきました。
 また、前年にはなんと軒下にアライグマが巣を作ってしまい、春にはかわいい赤ちゃんが見られたそうです。

 

◇カボチャと銀食器とイルミネーションと
 私が滞在していた間にあった主な年中行事を紹介しましょう。
 Halloween は万聖節の前夜(10月31日)を祝うものですが、日本でもカボチャをくりぬいた「ちょうちん」(pumpkin lantern)でおなじみですね。この日はまるで仮装大会。子供たちは色々と返送して近所を回り、"Trick or treat?"と叫びながらキャンディーをおねだりします。【写真はハロウィーンでキャンディをねだりに来た近所の子供達】

 Thanksgiving は11月の第4木曜日ですが、この日は友人の Maryさんの家に招かれ、すてきな銀の食器の並んだテーブルで、七面鳥の丸焼きを食べたのです。【写真はそのときのもの】
 Christmas はアメリカでも盛大です。とにかく、あちこちの家がまるでディズニーランドのアトラクションのようにイルミネーションだらけだったのが印象的でした。もちろん、クリスマス・パーティーも開かれましたが、この日は一家で静かに過ごすというのが多くの家庭の様子でした。

 

◇インターナショナル・ハウス
 ちょうど Halloween の日、私は大学により近い家に引っ越しました。今度の家主は Bill。国立病院の会計長ですが、髪とヒゲは年に1回切るだけ、食事は週に1回で、ビールを1日にジョッキ15杯も飲むツワモノです。しかし、なんと優しい人か。この人のお陰でアメリカ生活が有意義になりました。そして、他にも3人のベトナム人(トラン、トライ、ディエン)が住んでいて、彼らと寝食を共にし、コンサートやドライブに行ったりして楽しい毎日を過ごしました。【写真はキリンレモンのTシャツを着る家主の Bill】

 

(4) 留学の成果 へ 

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