授業作りの基本

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「日々の英語の授業を何とか実り多きものにしたい」、「英語をマスターしたいと思っている生徒の希望をかなえてあげられる授業をしたい」。このホームページを訪れられた多くの先生方がそのように思っていらっしゃるでしょう。

 

一方、「授業作りの基本? どうせ、英語科教授法か何かの理論や面倒な活動をやってみたらどうかとか言うんでしょ?」、「悪さやおしゃべりばかりしている生徒を黙らせるのに精一杯で、そんな理想論のような話は聞いても何の役にも立たない」。そんなことを思っている先生もいらっしゃるかもしれません。

 

筆者自身は前者の仲間に入る教員だと思いますが、35年の教員歴をもってしても未だに満足な指導をすることができていません。ただ、これまで恩師、先輩、同僚や仲間に恵まれ、それらの方々からいろいろな刺激を受けて現在の授業スタイルを形作ってきました。そこで、これからの世代を担う先生方に、筆者が授業作りをする上で大切だと思っていることをお伝えします。

 

筆者はかつて英語の授業の「名人」と呼ばれる教師の授業について研究したことがあります。その時に取材した名人たちの多くは、授業作りの上でまず第一に考えるべきことは、「生徒の3年後の姿を思い浮かべ、それを達成するためにバックワード・デザインで授業を考えることだ」ということを異口同音に言っていました。

 

「3年後の姿って何?」、「そんなことより明日の授業をどうするか知りたい」、「教科書をとにかく順番どおりにしっかり教えていくことが大切なんじゃないの?」‥。いろいろな声が聞こえてきそうですが、そのような発想で指導をしているかぎり、授業は生徒に夢も感動も与えられない陳腐なものになり、目を輝かせて授業を受ける生徒を育てることはできません。そこで、そのような授業を変える、授業作りの基本を順番に述べていきます。少し長くなりますが、辛抱強くお読みください。

 

 では、それぞれ以下のページへ飛んでお読みください。

 

1. 「育てたい生徒像」を考えること

 

2. バックワード・デザインで授業を考えること

 

3. 日々の授業の「型」を作ること

 

4. 理論に裏打ちされた指導過程を考えること

 

5. 指導案を書き、事前に授業全体をイメージすること

 

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