『どうする家康』の附属中関係者

このドラマは、織田信長、豊臣秀吉と並ぶ戦国三大武将の一人である徳川家康の生涯を、大河ドラマ『徳川家康』(1983年、滝田栄主演)以来40年振りに描いた作品です。他の“戦国時代もの”と同様に歴史上の有名な出来事の多くが取り上げられてはいますが、むしろ各登場人物の微妙な心情を詳しく描くことに注力された作品でした。

 

主役の家康を演じたのは、元アイドル・グループ「嵐」の松本潤さんでした。

 

さて、このドラマの時代は今から400年以上も前なので、登場人物に附属中の関係者は出てきません。その代わり… 

 

このドラマの最初の数回(後の回想場面も)に登場する重要な人物の一人が今川義元です。徳川家康が幼少の頃に人質に取られていた駿河国の守護大名で、桶狭間の戦いで織田信長に敗れたのは有名な話ですね。

 

写真は、JR静岡駅前に建立された今川義元の銅像です。

 

その今川義元を演じたのが狂言師の野村萬斎(のむらまんさい)氏でした。NHK教育テレビ(現・Eテレ)の子供番組『にほんごであそぼ』の狂言コーナーで一気にお茶の間の人気者になりました。また、映画『陰陽師』(2001)、『のぼうの城』(2011)、『七つの会議』(2019)などで主役を務めるなど、俳優としての演技も高く評価されています。最近では、テレビのコマーシャルでもおなじみですね。

 

野村萬斎氏、本名・野村武司(たけし)氏は、附属中学校の第93回卒業生です。卒業生の中にはあまたの有名な人がいますが、おそらく現役で活躍している卒業生の中では、現在最も一般の人に知られている人でしょう。狂言師である父・万作氏のもとで幼少期から舞台に出演しており、舞台のために附属中の林間学校を休んだり、運動会を早退したり、バスケットボール部の試合を休んだりしなければならなかったことがつらかったと後に語っています。それでも委員会活動などにも積極的に取り組むなど全力で学校生活を送っていたと、氏の中学生時代を知る先輩教員からよく聞きました。

 

一時期(今も?)、附属高校のPRビデオに出演して、同校の魅力を伝える役を担っていただきました。また、数年前には附属中学校で講演兼演舞披露をしていただきました。