<Coffee Break>本校「終礼」の運営方法

ここまでお読みになった方の中には、「なぜ担任の先生がいながら 『終礼がうるさい』などという話があるんだろう? そんなことはその場で注意して進めれば済む話なのに・・・」 と思われた方もいらっしゃるでしょう。 また、そもそも本書のタイトルがなぜ『では、最後に先生のお話です。」となっているのかという疑問もあるでしょう。そこで、ここで改めて本校の「終礼」の運営方法をご説明したいと思います。

本校の終礼は、どのクラスも司会進行を学級週番が行い、その中身も基本的に生徒による連絡・報告・相談活動で構成されています。これは、本校の学校生活全般の指導方針として、「生徒の主体的な活動を大切にする」ということがあり、終礼もその一貫と位置づけられているからです。「終礼の話」を広く紹介するようになってから、本校に教科指導の研修でいらっしゃる先生方が、授業だけでなく私のクラスの終礼も見学されることが多くなりましたが、その先生方の多くが「生徒があそこまで自主的に終礼を進めているのを見て驚きました」というようなことを異口同音におっしゃっていたことからすると、この終礼の運営方法は一般の公立・私立中学校の先生にとっては「生徒の活動としてはレベルの高いもの」と映ったようです。もちろん、他の学校でも帰りの会の司会を生徒に任せるということはあるでしょうから、その任せ方の程度が本校の場合はかなり生徒側に寄っているということなのかもしれません。ちなみに、学年やクラスによって内容や進め方に多少のちがいはありますが、本校の終礼はほぼ次のように行われています。

(1) 6時間目の終了後(月曜日は昼休み後)に行う。※開始時刻と終了時刻の規定はない。したがって、開始・終了のチャイムは鳴らない。
(2) 学級週番3人が日替わりで司会進行と記録を務める。
(3) 内容は、①翌日の授業の連絡、②係からの連絡、③その日の反省、④担任の先生の話、が基本で、日によって生徒会団体からの連絡や学級自治会等が入ることがある。

一方、それに担任教師がどう関わるかは各担任に任されています。 つまり、何か問題点を見つける度に即指導する教師もいれば、その場では即指導しなくても後で指導する教師もいれば、ほとんど傍観しているだけの教師もいれば、場合によっていろいろな対応をする教師もいるということです。私は、最後の「場合によっていろいろな対応をする教師」でしょう。例えば、本書に収録された話の中で生徒の終礼時の様子を後から指導するような内容があったりするのは、問題点をその場で即指導せずに私の話の中で指導した場合の記録が残っているからです。それ以外にその場で即指導したこともたくさんあるわけですが、一部(話の前礎となったことを記した場合)を除いてそれらは「終礼の話」には入っていません。

なお、私の話は基本的に上記(3)の④にあたる部分で司会に振られてから話し始めるもので、話し終わると「さようなら」の挨拶をする、いわば終礼の"締め”あるいは“まとめ"のような役割が期待されているものです。しかし、時にその役割の範囲を超えてやや長めの話をすることがあり、それを「終礼の話」として記録したというわけです。また、そのような場面で話した内容なので、本書の元になった小冊子のタイトルを『では、最後に先生のお話です。』とし、それを本書のタイトルにもしました。