新出文法事項のオーラル・イントロダクション

学校で学習する新しい文法事項の導入方法としてオーラル・イントロダクションが有効であることは、本ホームページのいろいろなところで述べています。そして、そのうちのいくつかの例は、「文法指導」のページに過去の雑誌記事の紹介という形で載せてあります。しかしながら、それらは中学校の3年間に学習する文法事項のほんの一部にすぎません。そこで、新たなページを立ち上げて、中学校で学習するすべての新しい文法事項のオーラル・イントロダクションの実践例をご紹介するコーナーを始めることにしました。本コーナーの“売り”は、筆者が実際に行った授業の指導案(詳細は下記参照)と教材を紹介するということです。

 

ご紹介する指導案は、できるだけどなたでも使えるような一般的な内容を採用しているものが多いので(一部はかなり個人的な題材を用いていますが…)、お使いになる先生がそれぞれの実情に合わせて少しアレンジしていただくだけでお使いいただけるでしょう。なお、1年生の初期に教える文法事項の中には、新学習指導要領下では小学校で扱うものも多くなっています。したがって、小学校の先生でもそれらを授業でお使いいただけるかもしれません。

 

多くの授業における新文型の基本的な指導過程は次のようなことを意識して作られています。

⓪ 前時の復習(Review of the previous sentences)

 →新文型の導入に前時に学習した表現が使える場合はここで復習しておきます。

① 場面設定(Introduction of the situation)

 →これから話そうとしている内容を理解してもらうために場面設定をします。

② 新文型のインプット(Input of the target sentences)

 →既習事項でやりとりをしながら意味が類推できる場面で新文型を含んだ文を聞かせます。

③ 理解の確認(Check of understanding)

 →②で聞かせた文の意味が理解できているかを確認します。

④ 聴覚心像獲得練習(Mim-mem*)  *mimicry memorization

 →音声による新文型の形(聴覚心像)を頭に入れるために、文字を見せずに音声だけで最も単純な文で口頭練習させます。

⑤ 口頭練習(Oral practice)

 →新文型の文をいろいろな要素を交換して口頭で練習し、文型の理解を定着させます。

 

以下のリストに上げられている項目は、筆者が実際に授業で行ったオーラル・イントロダクションを、自分が授業の準備用に書いている指導案(A4ノートに1ページないし2ページ)より書き起こした上で、指導のポイントやそれぞれの発言がどのような意図を持って行われたのかという理由などを書き加えたものです。なお、学年の区分は実践例を紹介するという立場から旧学習指導要領下の教科書(New HorizonNew CrownOne World)の文法配列を参考にして作ったので、新学習指導要領下の教科書では教科書によって区分がかなり異なっているものがあります。

 

※現時点ではリンクの張られているもののみお読みいただくことができます。

 

<1年生>  

① Your(My)~? Yes(No), my(your) ~.

② Mr.(Ms.)-'s~?  Yes, his(her)~.

③ My(Your) name is ~. Nice to meet you.

④ This(That) is my(your) ~.

⑤ Is this(that) your ~?  Yes, it is./ No, it is not.

⑥ Is this(that) your~? Yes, it is. It is my~./ No, it is not. It is not my ~.

⑦ Is this(that) -'s ~?  Yes, it is.  It is his(her) ~./ No, it is not. It is not his(her) ~. It is ...'s ~.

⑧ Whose ~ is this(that)?  It is -'s ~.

⑨ This(That) is a / an ~. 

⑩ Is this(that) a / an~?   Yes, it is./ No, it is not. It is a / an~.

⑪ What is this(that)?   It is a / an ~.

⑫ Is this(that) A or B?  It is A(B).

⑬ This is ~. He(She) is -'s ~.

⑭ Who is this?  It is ~. He(She) is -'s ~.

⑮ Is Mr./Ms. ~ ...? Yes, he/she is. No, he/she is not.

⑯ I am / You are ~. Are you ~?  Yes, I am./ No, I am not.  

⑰ We(You, They) are ~s.

⑱ I (do not) like ~. You (do not) like ~. Do you like ~? Yes, I do. No, I do not. What ~ do you like?

⑲ What do you have in your hand?  I have a ~. Under construction.

⑳ What ~ do you like?  I like ~. Under construction.

※①~⑳は順番に教えることを想定しています。①~⑳を実際に指導した際の指導実績記録はこちらでご覧いただけます。

 

◇以下は上記の入門期指導①~⑳の文法事項以外のものです。

〇曜日の言い方と尋ね方

〇月日の言い方と尋ね方

〇天気の言い方と尋ね方 

〇出欠席の言い方と尋ね方

【応用編】曜日・月日・天気・出欠の確認等を含んだ挨拶活動 NEW  

・命令文、否定命令文

・複数形

・How many ~?

・疑問詞 where の文と答え方(前置詞)

・疑問詞 when の文と答え方

・疑問詞 which の文と答え方

○三人称単数現在の肯定文・疑問文と答え方…「文法指導」ですでに公開中

・三人称単数現在の否定文

・助動詞 can の肯定文・否定文

○助動詞 can の疑問文と答え方…「授業は英語で」ですでに公開中

○現在進行形の肯定文

・現在進行形の疑問文と答え方 Ready to go. 

○一般動詞(規則動詞)の過去形の肯定文・疑問文と答え方…「文法指導」ですでに公開中

・一般動詞(規則動詞)の過去形の否定文

・一般動詞(不規則動詞)の文

・Why ~?  Because ~.

 

<2年生>

・be動詞の過去形の肯定文

・be動詞の過去形の疑問文と否定文

・過去進行形の肯定文

・過去進行形の疑問文と答え方

○接続詞 when の文

・接続詞 if の文

・助動詞 will の肯定文

・助動詞 will の疑問文と否定文

・be going to を使った文の肯定文

・be going to を使った文の疑問文と答え方

・I think (that)~. の文

・助動詞 must の肯定文と否定文

〇There is/are/was/were ~. の文

・目的語として使う動名詞の文

・have to ~の文

・SVOO の文

〇SVC(look +形容詞)の文

・May I ~? の文(許可の確認)

・不定詞の名詞的用法の文

・不定詞の副詞的用法の文

・不定詞の形容詞的用法の文

・Will you ~? の文(依頼)

○形容詞の比較級・最上級の文①…「文法指導」ですでに公開中

〇形容詞の比較級・最上級の文②(よりユニバーサルな導入法)

○more, the most ~ の比較の文…「授業は英語で」ですでに公開中

・as ~ as の比較の文

・副詞の比較級・最上級の文

○受動態の文(現在形)

・受動態の文(過去形)

 

<3年生>

・Can/Could you tell me how to get to the station?

・現在完了の肯定文

・現在完了の疑問文と答え方

・現在完了の否定文

・How long +現在完了の疑問文と答え方(For ~./Since ~.)

・SVOC(名詞/形容詞)の文

〇It is ~ for ... to 動詞. の文

〇現在分詞と過去分詞による後置修飾の文

〇接触節による後置修飾の文

〇主格の関係節による後置修飾の文

〇目的格の関係節による後置修飾の文

・want/tell/ask +人+ to 動詞の文

・間接疑問の文

 

<その他> ※新学習指導要領で高1から中3に降りてくる文型

・現在完了進行形の文

・仮定法過去の文

上記2項目については定年退職までに教える機会がなかったので、「自分が教えるとしたら…」という仮定の指導過程となることをご了承ください。

 

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