『指導と評価』編集後記(特集:新学習指導要領に沿った問題の作り方)

※記事の一番下に雑誌記事の現物(PDF)があります。

 

筆者が教員になって数年が経った1992年、英語教師がテスト作りに対してもっていた既成概念を根本から覆す一冊の本が出版された。若林俊輔・根岸雅史著『無責任なテストが「落ちこぼれ』を作る」(大修館書店)である。 

 

曰く、「自分が習ったように教えてはいけない」。例えば、入試問題では定番の長文読解問題は「長文読解」をうたっていながら、設定されている問いには語彙や文法の知識を問う問題や表現力を問う問題が並んでいることが多い。入試問題として総合力を問うものとしてはいいが、その形式を教師が長文読解問題として自分が作成するテストに出題したのでは、その大問の得点が読解力を測ったものにはならない。本書の内容には頭を金槌でたたかれたような衝撃を受けた。

 

以来、前任校の英語科では全教員が評価観点別問題でテストを構成し、生徒には観点別の得点データをフィードバックしてきている。

 

(『指導と評価』2023年12月号、図書文化)

 

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指導と評価2023年12月号「編集後記」.PDF
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