15. 気持ちが前向きになる季節

【きっかけ・ねらい】

当日は月曜日ということもありましたが、何となく生徒の元気が無く、授業中の反応もイマイチでした。そこで、何か気持ちを盛り上げる話ができないかと思っていたところ、終礼時に「理科室だより」(理科が作成している教科通信)が配布され、そこに記されている日の入り時刻が目に入り、「冬至の頃に比べると随分日が長くなったなあ」と思ったところで、この話を思いつきました。

 

この話のねらいは、冬真っ盛りの時期でも日照時間から見れば春に向かいつつあることに気づかせ、気分を前向きにさせることでした。

 

【手順・工夫】

この話は何か特に教育的な目的があったということではなく、何となく明るい話題を提供することで、生徒の気分がほぐれるといいなというくらいのものだったので、あまり事前に話の流れをきちんと考えて話したものではなく、生徒のやりとりの中で話が動いていってもいいなというつもりで話し始めることにしました。また、この日の全校集会で2回目の生徒会役員の任命があり、自分のクラスの生徒も合計で十数名が任命されたので、その生徒達のやる気を起こさせるような話にもっていければいいなという気持ちも持ちながら話しました。

 

【実際の会話】1/18

T:今配られた「理科室だより」を見ると、日の入り時刻がだいぶ遅くなりましたね。

S:(何人かがプリントに目を落とす。かばんの中にしまったプリントを出す者もいる)

T:これによると、日の入り時刻は4:52だそうです。

A男:「日の入り」って太陽が出る方だっけ?沈む方だっけ?

S:(他の生徒はこれに反応しない)

T:冬至の日が最も昼間の時間が短いわけですが…、あっ、冬至だからといって日の入り時刻が一番遅いというわけではないんだってね。つまり、日の出から日の入りまでの時間が一番短いのが冬至の日だそうです。

S:(「へえ~」という顔をしている)

T:なんでこんな話をしているかというと、先生は毎朝6時過ぎに家を出てくるんだけど、冬至の頃はまだ空が真っ暗で、星が出ているんですよ。そういうときはね、「あ~あ、なんでオレは星が見えてる時間に家を出なきゃならないんだ」って思うんだよね。

S:(何人かが微笑んでいる)

T:だからね、秋から冬にかけての季節というのは「ああ、またあの頃が来るんだなあ」って気分が重くなっちゃう。冬休みが近づくから、本当は嬉しいはずなんだけどね。その反対に、今の季節は朝はすごく冷え込んで寒いけど、気分はなんとなくウキウキするんだよね。だって、毎日毎日少しずつ日が長くなるでしょ。星が出ていたのが、東の空が赤くなるようになり、次に明るくなって、太陽が昇ってくるのが見えるようになる時期になると嬉しいなあ。そのうち、この辺に(低く手をかざす)太陽があるようになって、ついにはもう朝から暑いなあっていう季節になる。だから、今日くらいになるととても気分がよくなるんだよね。みんなもそうじゃない?

S:(何人かがうなずいている)

T:だからね。勉強も部活も委員会とかもがんばらなきゃね。そうそう、委員会と言えば、今日で生徒会の任命が終わったけど、任命された人はどのくらいいる?

S:(該当者が手を挙げる)

T:人数を数えたいから、ちょっと手をあげてて。(数える)全部で16人ね。

B男:少な!

T:そうでもないんじゃない?クラスによって、ある委員会にいっぱいいるけど、ある委員会にはいないということもあるからね。

C子:学発は3組ばかりだった。

T:そうだったね。きっとお祭り好きが多かったんだろう。5組はいなかったっけ?

C子:はい。

T:そうかあ…。(希望していて任命されなかった生徒がいるのを知っていたので)学発は人気が高いからなあ。まあ、16人ということは5クラスで80人。1年生としては平均的じゃない?(実際には1年生は全部で100人余りが任命されていたことを後で知った)それから、2年生になったときに、委員会によっては追加任命というのがあるんだよ。

D子:えっ!そうなんですか?

T:そう。もう少しいないと大変だとかいうときや、クラス替えである委員がどこかに固まっちゃったとかいうとき。だから、まだチャンスがあるということだね。とにかく、今回選ばれた人はそれだけ責任もあるわけだから、しっかり仕事をしてください。では、今日はこれでおしまいにします。

 

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