2.生徒が耳を傾ける話

では、生徒が先生の話を心から理解し、そのとおりにしてみようと思うような話の内容や話し方とはどういうものでしょうか? これについてはいろいろなアプローチの仕方があり、「これこそ唯一の方法だ」などとというものはありません。また、筆者はその道のオーソリティーではありませんので、きちんとした体系的なお話をできるわけでもありません。

 

しかし、筆者の場合で言うと、「このように話を構成すると生徒がそれをよく聞いてくれる」という独自の“経験則”のようなものがあります。しかも、その経験則に則った話をすると、生徒がそれをよく聞くようになるだけでなく、生徒の態度や行動も変化するという場面に何度も遭遇してきました。

 

そこで、ここでは筆者が明確に生徒の行動変容を求めて話をするときの大切な点を、実際に話した内容の記録をもとにご紹介します。実は、筆者自身もそこまでのことをきちんと意識した上でそれらの話をしたわけではなく、過去の経験則を元に直感的にそれらの話を構成して話していたので、これを機会に改めて自分の話を分析するつもりでまとめてみます。

 

ところで、世の中にはよりよい話し方について述べた書籍が、教育関係のものだけでもたくさんあるようですので、より体系的なことを学びたい方はそちらをご覧ください。以下のことはあくまでも筆者の経験から気づいたことです。ただし、究極的にたどり着くのは書籍に書かれていることと同じ場所である可能性もあるので、とりあえずの入門的な話としてお付き合いください。

 

なお、いずれも具体的な話をあらかじめ書いてあった原稿を元に取り上げるので、各実践例を別ページに示します。それぞれ以下の項目名のリンクをクリックして該当ページへ進んでください。

 

(1) 全校生徒に挨拶をしっかりするように話した例から(令和2年9月28日実施)

毎週月曜日の昼休みに行われる全校集会では、最後にその週の週番教員から全校生徒600人余りに向けての話があります。ここでは、筆者がその週の週番教員として全校生徒に投げかけた話を取り上げます。

 

(2) 全校週番によりよい週番活動を行うように話した例から(令和2年9月29日実施)

本校には学級週番の上に全校週番という学級週番を統括し全校生徒の生活維持・向上を目指して活動する自治活動があります。ここでは、その週の指導教員(「週番教員」)として週番活動を行う3年生に話したことを取り上げます。

 

(3) 定年退職の離任式で全校生徒に話した例から(令和4年3月18日実施:校長先生代読)

筆者が定年退職する直前の離任式で全校生徒に話そうと執筆してあったものです。ところが、その前日に筆者が入院してしまったために、離任式で校長先生がその原稿を代読してくださいました。27年間勤めた学校の生徒たちに伝えようとしたその話を取り上げます。

 

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