この文型は以前であれば中2の定番文型でしたが、最新の教科書では中1で扱われている例(One World など)もあります。今回はその1年生で指導した例を紹介します。実は、この文型の導入も長年行っている”定番”の方法があり、筆者の場合は教科書が変わってもそれを使っています。その一番の理由は生徒が教材によく食いついてくるからです。ワイワイ、ガヤガヤとにぎやかな中でみんなが集中して取り組んでいるのがわかり、結果としてしっかりと文型が身についています。
今回は実際の様子を書き起こしたものとして紹介します。したがって、他の場所で「想定される生徒の反応」としているところもすべて「実際の生徒の反応」です。T: は教員の発言、S: は実際の生徒の発言、S1:, S2: は生徒個人の実際の発言を表します。なお、発言中の太字は強調して発音する部分です。
◇Introduction of the New Expressions
(0) Introduction of the situation
(左の絵を見せて)
T: Look at this picture here. You can see something in the picture. What is it?
S: 線
T: In English, please.
S: Line.
T: That's right. It's a line. Repeat!
S: It's a line.
T: Is it a straight line, a curved line or a zig-zag line?
S: Straight line.
T: Right. Repeat. "straight"
S: Straight.
T: It's a straight line.
S: It's a straight line.
※SVCの文型を出す前にその文型で使う語彙、つまりここでは straight と line を導入します。後に新文型を出した時にそれを特徴づける表現に注目させるためです。
(1) Input of the new expression
T: Now, I'll show you some other lines. But you cannot see the whole lines because there is a pole in front of them. (次の3枚の絵を貼って)
T: You have three lines, A, B and C. One of them is straight and the others are not straight. Which one is straight? What do you think?
S1: A!
S2: B!
S3: C!
T: Now, when you see them and you think A is straight, please say, "A looks straight." If you think B is straight, please say, "B looks straight." If you think C is straight, please say, "C looks straight." As for me, A looks straight. A looks straight to me.
※場面をきちんと設定して発言内容を理解させるとともに、生徒に言わせたい表現を何度も繰り返し発言してインプットします。
(2) Check of Understanding and Mim-mem
①(個人を指名して)
T: Now, S4, What do you think? Which one looks straight to you? Please say, "A" or "B" or "C looks straight."
S4: B looks straight.
T: You think so, huh. How about you, S5?
S5: A looks straight.
T: Ah, huh. How about you, S6?
S6: C looks straight.
T: OK. S4 said, "B looks straight." S5 said, "A looks straight." S6 said, "C looks straight." They have different answers.
※数名の生徒に言わせて言えれば、意味を理解して目標表現を言えていると判断します。他の生徒も仲間の発言を聞いて理解を深めるはずです。なお、導入して言わせる文は可能なかぎり短いものが良いです。この場合は最低限の3語の文を使っています。
②(全員に向かって)
T: Now, everyone. What do YOU think? "A looks straight." Please raise your hand.
S: (Raising their hands)
T: These people, please say, "A looks straight."
S: A looks straight.
T: "B looks straight." Raise your hand.
S: (Raising their hands)
T: These people, please say, "B looks straight."
S: B looks straight.
T: "C looks straight." Raise your hand.
S: (Raising their hands)
T: These people, please say, "C looks straight."
S: C looks straight.
※これで全員が自分の考えを目標文を使って言ったことになります。通常は個人にも言わせますが、今回はかなり単純な文なので、コーラスで複数回言わせればよしとします。
③(長い定規またはまっすぐな棒等を用意して)
T: Now, everyone, let's check the answers!
S: Oh!
T: First of all, let's check Line A. Many people said, "A looks straight.".... (定規をAの線の部分に合わせて)Oh, this is not straight!
S: (Laughing and sighing)
T: How about Line C? Some people said, "C looks straight.".... (定規をCの線の部分に合わせて)Oh, this is not straight, either!
S: (Laughing and sighing)
T: Then, you know the answer, but let's check it anyway.(定規をBの線の部分に合わせて) Wow!, it IS straight!
S: (Applauding)
T: Yes! B looks straight and it is straight.
(3) Mid-consolidation
T: ここでこれまでみなさんに言ってもらった新しい表現について確認してみましょう。先生はみなさんに何を尋ねていたのですか?
S: どの線がまっすぐか。
T: ただ「まっすぐか」でしたか?
S: まっすぐに見えるか。
T: そうでしたね。「まっすぐに見える」を何と言っていましたか?
S: Looks straight.
T: 「まっすぐ」は?
S: Straight.
T:では、「~に見える」は?
S: Looks
T: そうですね。でも、なぜ look でなくて looks なの?
S: 主語が三人称単数だから。
T: この場合の主語は?
S: A とか B とか。
T: そうですね。「…が~に見える」というのを「主語+look+~」と表します。「~」は straight でしたが、この単語の意味は
S: 「まっすぐ」
T: ということは、品詞は何でしょう?
S: 形容詞
T: そうですね。今日の新しい文は「主語+look+形容詞」という形で、「…は~に見える」という意味の文です。
※この時点でこのような確認をするかどうかは意見の分かれるところですが、この後の練習のことを考えると、オーラルによる導入だけでは理解しきれなかった生徒の頭を整理してあげた方がより効果的であると考えてここでこの指導を入れてあります。ただし、教師がすべて言ってしまうのではなく、生徒が気づいたことを拾いながらまとめていくようにします。
◇Oral Practice of the New Expressions
(1) Oral practice of the sentence
教科書の練習問題の挿絵を見せて口頭練習を行います。
T: Look at the example on the left. You can see a girl and the hint word. In this case, you say, "The girl looks happy." Please repeat.
S: The girl looks happy.
T: Now, it's your turn. Look at No.1 You see a boy and a hint word. What do you say?
S: The boy looks tired.
(以下、②、③も同様に行う)
(2) Vocabulary Practice
この文型で使いそうな他の表現も導入して練習を行います。次の絵を使いますが、最初に生徒に見せるときは単語は見せず、何と言うかを考えさせてから単語を見せるようにします。そのために、パワポは単語を1語ずつ示せるようにアニメーション設定してあります。
T: Look at the next picture. You can see several faces. Each picture shows some feeling. Let's check all of them. What is the top left?
S: Happy.
T: Good. What is the next one?
S: Surprised.
(以下、すべてを確認する。その時点で未習の語は重点的に練習する。)
◇Consolidation
筆者の場合、その日に教えた文型のまとめは授業の最後に行います。特にその日に習った文を書かせるような場合はそこで行います。この時間では以下のようなまとめを行いました。なお、パワポの画面は実際には上から1文ずつ示していくようにアニメーション設定してあります。
※実際の授業では、上から1行ずつ生徒とやりとりをしながら見せていきます。
(例)
T: 今日習った文の形は何でしたか?
S: 主語+動詞+形容詞
T:(1行目を見せて)形容詞はこの文型では「補語」にあたるので、ここでは「主語+動詞+補語(形容詞)」とします。
T: では、「あなたは幸せそうに見える」は何と言ったらいいですか?
S: You look happy.
T:(2行目を見せる)
今回は「~に見える」という look だけをやりましたが、人間の感覚には他にもいくつかあります。どんなものがありますか?
S: 聞こえる/においがする/味がする
T:(上記のそれぞれにあたる単語を見せる)
よく「五感」と言うので、あともう1つあります。何でしょうか?
S: さわる
T: さわるって、ふれて「感じる」ことを…?
S: Feel
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