さあ、be動詞を使った文を習い始めて初めての疑問詞を使った文を学ぶ時間が来ました。
「初めて習う疑問詞の疑問文が Whose ~ ? なの?」と思った人もいるでしょう。しかし、ここまで my/your ~、ー's ~、his/her ~ の所有の表現を使った肯定文、否定文、Yes?/No疑問文を学んできた過程からすると、次に学ぶ表現としてごく自然な流れのものと言えます。
今回の指導のキモは、過去に習った「誰々の」のYes/No疑問文を上手に利用することです。それは、「これは/あれは『あなたの』/『(人名)の』、『彼/彼女の』~」の『…の』の部分が言えないという状況を作り出すということです。つまり、「…の」という持ち主がわからないから「誰の?」と尋ねるのだという状況を設定するわけです。これをせずにいきなり「誰の?」を導入しても生徒にその部分の意味を理解させることはできません。
では、具体的な指導過程をご紹介します。T: は教員の発言、S: は実際のまたは想定される生徒の発言、S1:, S2: は生徒個人の実際のまたは想定される発言を表します。なお、発言中の太字は強調して発音する部分です。また、「スピーチ・バブル」とは台詞の吹き出しマークを描いた絵カードのことです。平叙文を言わせるための空のスピーチ・バブルの裏側に疑問文を言わせるための「?」マーク入りのスピーチ・バブルを用意して、使い分けます。
◇Introduction of the New Expressions
(0) Review of the Previous Expressions(Recollection)
①(自分のペンを持って)
T: Is this my pen?
S: Yes, it is. It is your pen. →Mim-mem
②(「山口」と書かれたペンを持って)
T: "Ya, ma, gu, chi." Is this your pen?
S: No, it is not. It is not my pen. It is Mr. Yamaguchi's pen. →Mim-mem
※ここで大切なのはいきなり新しい表現に入るのではなく、前時の復習をしながら新しい表現を学ぶ土台作り(既習の文のどこをどう変えれば新しく習う文になるのかに気づきやすくする)をすることです。
(1) Input of the New Expressions
①(初登場の新しいペンを持って)
T: Look at this pen. This is NOT MY pen. Is this your pen?
S: No, it is not. It is not my pen.
T: Oh, this is not MY pen. This is not YOUR pen. Then,(首をかしげながら)Whose pen is this?(×2)(「小山」という名前を見つけて)Oh, it is Mr. Koyama's pen.
②(初登場の新しい消しゴムを持って)
T: Look at this eraser. This is not my eraser. Is this your eraser?
S: No, it is not. It is not my eraser.
T: Then,(首をかしげながら)Whose eraser is this?(×2)(「小林」という名前を見つけて)Oh, it is Ms. Kobayashi's eraser.
※状況設定をしっかりして、既習の表現を生徒に使わせながら未習の表現をインプットします。ここでは聞いて意味を類推できることに焦点をあてます。
(2) Check of Understanding and Mim-mem
①(「小山」と書かれたペンを持って)
T: Now, answer my question. Whose pen is this?
S: It is Mr. Koyama's pen
②(「小林」と書かれた消しゴムを持って)
T: Whose eraser is this?
S: It is Ms. Kobayashi's eraser.
※スムーズに答えが出れば "Whose ~ is this?" の意味が理解できたと判断します。したがって、ここで「どういう意味ですか?」などと説明する必要はありません。
③(「小山」と書かれたペンを持って)
T: Now, you answered "It is Mr. Koyama's pen." right? (「?」のスピーチ・バブルをかざして)Then, my question is ...?
S: Whose ... pen... is this? →Mim-mem
④(「小林」と書かれた消しゴムを持って)
T: You answered "It is Ms. Kobayashi's eraser." (「?」のスピーチ・バブルをかざして)Then, my question is ...?
S: Whose eraser is this? →Mim-mem
※③④でターゲットの疑問文が出てくれば導入は成功です。そこまでに状況設定を上手にして何度も聞かせていれば出てくるはずです。
(3) Mid-consolidation
T: では、ここでみなさんが新しく学んだ表現についてまとめてみましょう。(初登場のペンを持って)最初にこのペンを見た時にみなさんは持ち主がわかりましたか?
S: わかりませんでした。
T: 持ち主がわからない場合、日本語では普通なんと質問しますか?
S: 誰の?
T: そうですね。それを英語で何と言っていましたか?
S: 「フーズ」(Whose)
T: そうですね。whose だけでしたか?
S: Whose pen
T: そうでした。Whose pen の後はどのように言っていましたか?
S: is this
T: それを全部言うと?
S: Whose pen is this?
T: つまり、どういう意味のことを言っていたのですか?
S: これは誰のペンですか?
T: そうですね。その文で最も知りたい、尋ねたい情報は何ですか?
S: Whose
T: と言うことは、英語では最も知りたい情報は文のどこに置かれるのでしょうか?
S: 初め/文頭
T: そうです。Yes/Noで答える疑問文では this is がどうなっていましたか?
S: Is this
T: それと whose ではどちらが優先されるのでしょう?
S: Whose
T: そうですね。まず Whose ~ と言い、その後に is this とそれが疑問文であることを付け加えます。ところで、この疑問文では文の最後を Is this ~? のときのように上げ調子で言っていましたか?
S: いいえ。
T: そうです。このような疑問文では文の最後は上げ調子には言いません。
※(2)の時点で意味を確認する必要はありませんが、中には意味を類推できていない生徒もいるでしょうから、そうした生徒の理解を助けることと、この後に予定している口頭練習をスムーズに行わせるための構文のチェックをします。ただし、ここのキモは教師がすべてを説明してしまわないことです。せっかく英語でオーラル・イントロダクションをしたのですから、そこからわかったことを日本語でも生徒から引き出すようにしてまとめていくようにします。なお、構文を示すために各単語をここで示すことも考えられます。しかし、本校ではこの時点ではまだ文字を見せずに指導しています。したがって、ノートも取らせません。
◇Oral Practice with a Worksheet
左のようなワークシートを使って本時に学習した表現を口頭練習します。なお、ワークシートに英文が書かれていないのは、本校の方針として文字を見せずに口頭導入及び練習をしているからです。
(1) 最初に各ステップの課題をまず全員で練習をします。本校ではこの時点でICレコーダーに教師や生徒の発言を録音し、家庭で復習するときの模範の音源としています。
(2) 次にペアで質問をする役と答える役になって練習をします。もちろん、役を交代してもう一度行います。
(3) 最終的には家ですべての表現を口頭で言えるように練習する課題を出します。
具体的な細かい指導過程は、① My(your)~? Yes(No), my(your)~. とほぼ同じなので、そちらをご覧ください。
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