(2) 北海道・東北編

 
期  間
地  区
走行距離
バイク
備  考
1981. 8. 7~21 北海道全域、東北R4沿線
4,766㎞
CB400T

青森ー函館の往復はフェリー

1985. 8.26~28 東北中央部
905㎞
CB750F  暑さにやられて3日で帰宅
1987. 7.25~8.3 北海道東北部、東北西海岸
3,565㎞
CB750F

往路の青森→室蘭、復路の苫小牧→八戸はフェリー

1988. 8. 1~9 北海道東・北・中央部
1,812㎞
HDFXST 往路の東京→釧路、復路の小樽→新潟はフェリー
1989. 8. 7~16 北海道東・中央部
2,039㎞
HDFXST 往路の東京→釧路、復路の苫小牧→東京はフェリー

 

◇あこがれの大地
 夏、北海道は観光客であふれます。いったいなぜみんなはそれほどまでに北海道にあこがれるのでしょうか。おそらく、それは日常の生活では味わえない広い空間と大自然の中に身を置くことができるからでしょう。
 ライダーにとってもそれは同じことです。遠く離れた「海の向こう」に想いを馳せ、蜃気楼が見えるほどまっすぐに延びた道を疾走する自分の姿を想像しただけでも胸が高まってきます。みなさんも実際に行けばこの気持ちがわかるでしょう。[写真は苫小牧から東へ向かう国道]

 

◇絶景かな
 北海道は景色もまたスケールがちがいます。美幌峠から見る屈斜路湖は視野のすべてを湖面が占領する圧倒的な眺めで、私は日本一の絶景だと思います。また、「えぞ富士」と呼ばれる羊蹄山も壮大で美しい姿を見せてくれます。さらに、摩周、サロマ、洞爺などの湖沼は、人の目を釘付けにせずにはおれない魅力があります。その他、道東、道北を中心にして、異国と錯覚してしまうほど広大な牧場や畑がどこまでも続いている様は、訪れる者の目を楽しませてくれます。[写真は中標津の「開陽台」。360°の絶景が楽しめる]

 

◇湿原の魅力
 北海道には有名な釧路湿原をはじめとして、霧多布、サロベツなど美しい湿原が数多く点在します。湿原というと、大きく蛇行する川や見渡す限りの草原を連想しますが、実際に近づいてみると、もっと「小さく」て「かよわい」印象を受けます。しかも、目に入るのは遠慮がちに咲いている白い花や可愛らしいトンボだったりするのです。
 だから、湿原に身を置き、キラキラと陽光を反射させながらささやくように流れるせせらぎを見つめていると、自然に優しい穏やかな気持ちになってきます。そんなときは、決まって好きな人のことを思い浮かべたり、自由に空を駆けめぐっている自分の姿を思い描いたりするのです。
 そんな湿原が、私は大好きです。[写真はサロベツ湿原]

 

◇温泉天国
 北海道には温泉がたくさんあります。しかも露天風呂がいっぱいです。そして、うれしいことに、そのうちの多くが無料ときているので、私のようなライダーには実にありがたいわけです。
 私のお薦めは、知床のセセキ温泉とオンネトーの湯滝温泉です。両方とも天然の露天風呂です。前者は干潮時のみ姿を現す海岸の温泉で、直径1.5~2mくらいの火口のようなところに冷たい波を浴びながら入るというものです(注:JAF発行の「車で行ける名湯・秘湯:全国編」でこの温泉に入ろうとしているのは私です!)。後者はキャンプ場から山道を20分くらい登ったところにあり、滝壺がそのまま湯船になっています。その他にも名湯・秘湯がいっぱいあるので、温泉マークを頼りに自分で探してみると面白いでしょう。[写真はセセキ温泉。左から2番目が私]

 

◇美味しい食べ物
 北海道はさすがに海の幸が美味しいです。特に、カニやウニなどはどこでもおいしものが食べられます。ただ、ガイドブックに載っているような店はやめておいた方がよさそうです。そういうお店は有名になりすぎて、質が落ちていることが多いからです。私も何度か失敗した経験があります。一番いいのは地元の人に尋ねることですが、旅行者同士の情報も参考になります。

 

◇じっくり回りたい
 これまで夏ばかり3回、合計11日間東北地方を走りましたが、実のところ、じっくり見て回ったとの実感がありません。しかし、そんな中でも素晴らしいところがいっぱいありました。

 雄大な眺めを満喫できる十和田湖、神秘的な流れの奥入瀬渓流、歴史の舞台の中尊寺、宮沢賢治の花巻、威容を誇る八甲田山や八幡平、壮大な干拓を実現した八郎潟、複雑な地形の連続した三陸海岸、「日本三大鍾乳洞」の1つ龍泉洞など。ただ通り過ぎるだけではもったいないところがいっぱいあります。いつの日か改めて腰を落ち着けてじっくり回りたいと思います。[写真は奥入瀬渓流]

 

◇人の温かさ
 旅行番組のせいか、東北というとすぐに優しくて人間味豊かな人たちのことを思い浮かべます。確かに、実際に出会った人たちはみんな笑顔で親切に接してくれました。また、あの独特の方言は、どこか郷愁を誘うものがあります。おそらく、それは厳しい気候の中で長年暮らしていくうちに、お互いに助け合いながら培ってきたものにちがいありません。だから、こちらも出会った人には笑顔を返したいものです。そういうときは、たいていその土地の面白い話などを聞かせてくれたりするものです。[写真は三国峠トンネルを出たところでスイカをご馳走してくれたご夫妻]

 

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