テーマに沿って与えられた「4行対話」(A-B-A-B) を自分なりに工夫してできるだけ長いものにし、ペアで対話し合うという活動です。
この活動は、とかく機械的で単調な内容に終始しがちな生徒の談話能力を向上させるのが目的であり、毎時間授業の復習の場面(10分程度)で継続的に(帯活動として)行いました。ここでは自分が話そうとする内容をあらかじめ質問の側(A)として作文しておくことになります。その際、それぞれ自分が話の主導権を握ることになりますが、相手の反応を受けて質問の内容や話題を変えていかなければならないので、柔軟に対応できるような技法の指導も必要となります。
a)基本の対話文を暗唱する
いきなり自分の作った対話文で活動を行うのは生徒に精神的なストレスを与えるので、毎回最初は重要文を含んだ基本の対話文を暗唱するところから始めるようにしています。
<基本対話文>
A: What sports do you like?
B: I like soccer.
A: Any favorite soccer player?
B: I like Pele.
※斜線部は対話作成の際に変更できる部分
b)一組(A-B)だけ対話を加える
対話文作成に慣れるまでは、ステップを踏んで作らせるようにします。そこで、まずはA-Bを一組だけ加えさせて、お互いにどのような話の展開が可能なのかを探らせる期間を設けます。
<展開(作品)例> ※記録カードから
○ A: Oh, I see. How about baseball?
B: I like baseball, too.
○ A: Did you watch the game yesterday?
B: Yes, I did. Did you?
c)自由に対話文を作らせる
対話文作成に慣れてきたら、できるだけ長く対話ができるように促して対話文を作成させます。個人的には質問や自分の考えを言う文を作成することが中心となりますが、相手の反応によって話題を転換できるようにさせることが必要です。これは慣れてくると徐々にできるようになるので、できるだけ多くの機会を与えて行わせたいものです。また、できるだけ長く話そうとする意欲を喚起するために、対話の長さを記録させ、競争させるようにしてみました。
<展開(作品)例> ※記録カードから
A: Which do you like, soccer or tennis?
B: I like tennis.
A: Do you play tennis?
B: Yes, I do.
A: Can you play tennis well?
B: Yes, I can.
A: Oh. Let's play tennis after school.
B: Yes.
「話すこと」では、活動中に巡回してその様子を記録した。もちろん、一度の活動で全員を観察することはできないので、活動を繰り返す中で全員を評価するようにした。「書くこと」では、活動後に実際にかわされた対話文の記録を全員に提出させて内容をチェックした。
この活動は、その性格上、旧学習指導要領の指導事項のうち、第2学年「話すこと」(ア)「相手の言うことを聞き取って適切に質問したり応答したりすること」を強化するものです。しかし、同時に事前に対話文を作成させることを考えれば、第2学年「書くこと」の「聞いたり読んだりしたことについて、その概要や要点を書くこと」の指導ができることにもなります。
さて、この活動をとおして、生徒たちは自分の知りたい情報を英語で得ようとしたり、質問されたことにも積極的に答えようとする態度を身につけてきました。そして、少しでも長く対話を続けようとする意欲と能力を身につけてきました。これは、事前に話したい内容を整理させていたからであり、何の準備もなくテーマだけで対話をさせようとしても、実際には授業中の活動としては成り立たないでしょう。
一方、長く話すことだけを強調したあまり、話題が単調になったり、話をうまくつなぐための表現を効果的に使ったりするという細かな指導ができませんでした。より、内容の濃いコミュニケーション活動を行わせるためには、このあたりの改善が必要でしょう。
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