ペイ・フォワード

筆者の学校には普通の公立・私立中学校にあるような全教員がいる職員室はなく、教員はそれぞれの教科の準備室で仕事をしています。英語科準備室には常勤教員が4人おり、週に2日は非常勤講師2人とALT2人を加えた計8人がいます。

 

英語科は、準備室を訪れる生徒たちに「英語科って楽しいですね」とよく言われます。また、毎年行われる研究協議会では、会後の懇談会(お茶会)で参加者の方々から「なんでそんなに仲がいいんですか?」と問われることもあります。自分たちとしても大変嬉しいことですが、もちろん何もしないでそのような状態になっているわけではないと思っています。おそらくそれは、日頃から個々の長所も短所も含めて互いの個性を認め合い、それをことばにして相手に伝え合っているからでしょう。

 

そんな素敵な仲間のやさしさ、ありがたさを、今改めて強く感じています。実は、筆者は今入院中で仕事を休んでおり、これも慣れないスマホのアプリを使って書いているのです。1週間程度の短期の入院ですが、それでも本来自分がやるべき授業は全て他の先生方が代わってやってくださっています。

 

入院が決まってから少し時間があったので、その間の教材を準備できたのは幸いでしたが、それでも先生方にとっては単純な負担増なので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。それでも、文句を言うどころか、積極的に代役を引き受けていただきました。

 

2018年に10月から3ヶ月の病気休暇を取ったときにも、非常勤講師の関係で担当クラスを大きく変えるなどの対応をしていただきました。大変な手術とその後の療養生活を乗り越えることができたのも、そのような同僚のやさしさのおかげです。

 

その恩にどう報いるかはそう簡単なことではありませんが、入院中にこうして新しい記事を書くことで英語教育に貢献することも1つの方法でしょう。そのようなことを、ある映画で描かれた言葉を借りると、「ペイ・フォワード」(Pay it forward.)と言いますが、本ホームページの内容がみなさんのお役に立っているのであれば、志を同じにする同僚もきっとそれを理解してくれることでしょう。(2/8/2020)

 

筆者が病休中の2018年11月に行われた研究協議会後の打ち上げ会から送られてきた激励の写真と職場復帰時に添えられたメッセージ