筆者が埼玉大学教育学部で非常勤講師として英語教師を目指す学生を指導してきたことは、メニュー画面の上にある「作者について」でも紹介しています。具体的には、2014〜2018年度の5年間は筑波大附属中の常勤職との兼任で「英語科指導法」(3年目から「中等英語科指導法」)のAとBを、3年間(2019~2021年度)の中断をはさんだ2022〜2023年度の2年間は他の大学の講師と兼任で「中等英語科指導法」のAとB及び「英語音声学」のAとBを担当してきました。
埼玉大学教育学部は、筆者自身が大学生として学んだところですので、自分が教えている学生たちは筆者の直接の“後輩”となります。しかも、「中等英語科指導法」は、ほとんどの学生にとっては初めて出会う、教科指導法に関する内容を扱う授業です。そのようなこともあって、当初からこの役目にはとても強いこだわりをもって授業に臨んできました。
まず、「中等英語科指導法」ですが、英語教育の入門として全般的な内容を包括的に扱うことが授業の主な目的です。基本的には教科書(『最新 英語科教育法入門』研究社)を使い、各章の内容を順番に扱っていきますが、教科書を読めばわかるような内容を扱っていたのでは、長年の現場経験がある筆者が授業をする意味はありません。そこで、教科書の内容は毎回前時に出す事前学習課題(A4判両面)と、全受講者(年によって約40〜約70名)を各章のディスカッション・トピックに割り振って発表させた上で、グループでディスカッションさせることで満たし、残りの時間はテーマに関する筆者の実践例を紹介しながら問題点を議論するようにしました。自分が実際に指導してきたことを紹介し、理論を大切にしながらも机上の空論に終わらない、理想の授業をどう創造するかということを学生たちに学んでもらうことを目指しました。
次に、「英語音声学」は、年度途中で都合が悪くなった講師の先生の後を引き継ぐ形で始めたものです。筆者のような音声学の“素人”が担当して良いものかという不安もありましたが、かつて筆者自身が年度途中で病気休暇のために「中等英語科教育法」の授業を投げ出してしまったことがあったので、そのときの恩返し(罪滅ぼし)のつもりで引き受けさせてもらいました。しかし、実際に授業を始めてみると自分の同領域における知識不足は明らかで、毎回の授業は学生とほぼ同じレベルで一緒に勉強するという感じでした。ただ、それがかえって自分には新鮮で、指導法の授業にはない楽しさもありました。なお、その過程で自分自身が学んだことは、拙著一般用ホームページ『目から鱗が落ちる英語学習』の「発音とつづりに関すること」のコーナーでの新しい記事(「Pn」シリーズ)として順次公開中です。
その埼玉大学の授業も、今年度をもって担当から外れることになりました。来年度から12年振りに新しい英語科指導法担当の常勤教員が一人増えることになったからです。本音を言うとあと3年-65歳まで-はこの仕事を続けたかったのですが、ここでの経験を新たに任命される予定の他大学の英語科教育法の授業で活かすようにしたいと思います。
最後に、埼玉大学の教職員の方々、授業でかかわった計約350名の現役学生及び卒業生のみなさん、足掛け10年(中断3年を除くと実質7年)の長きにわたり、本当にありがとうございました。(2/17/2024)
「中等英語科指導法」の授業
※グループでディスカッションしたり模擬授業を行ったりしました
「英語音声学」の授業
※全体で、個人で、ペアやグループで発音練習を行いました
“教え子”たちと
※卒業時に会いに来てくれました
教育学部の非常勤講師控室
生協第1食堂の夕飯
※5限(16:20-17:50)の後によくお世話になりました
クリスマス・シーズンの
学内イルミネーション
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