新しい環境の“一期生”

先生方は、過去に指導した生徒の中で、特に印象に残っている生徒にあるパターンがあると感じたことはないでしょうか?「どの生徒にも平等に接してきたから、特にそういうことはないね」という先生もいらっしゃるかも入れませんが、筆者にはどうやらそのパターンがあるようなのです。

 

筆者の場合、卒業したあとも付き合いが続いている生徒は、筆者自身が新しい環境に移ったときに最初に指導した学年(すなわち筆者にとってはその学校の“一期生”)の生徒が多いのです。例えば、初任校で最初に担任した学年の生徒、2校目で最初に担任した学年の生徒、3校目で最初に担任した学年の生徒(「159. 卒業生に感謝(その2)」参照)、9年前に大学で初めて教えた学生「202. “教え子”との再会」参照)、などです。

 

昨年から通っている別の大学でもそうです。昨年教えた学生の方が、今年の学生より筆者と親しく話していたように思います。そして、彼らは今年になっても筆者が授業をしている教室に来て、筆者とおしゃべりをしながら昼食を摂ったりしています。

 

これはどうしてなのかと考えてみたところ、どうやらそれは筆者の生徒や学生に対する態度に関係しているのではないかと思っています。簡単に言うと、新しい環境で失敗もしながら少し自信なさげに教えている筆者の方が、彼らには親近感を持たせるのではないかということです。

 

逆に言えば、2年目以降になると、新しい環境にも慣れて自信を持って指導するようになるので、生徒や学生にとって筆者は隙のない近寄りがたい存在になっているのかもしれません。授業の質は確実に高くなっていると思うのですが、そこからにじみ出る(?)筆者の自信に満ちた言動が、かえって生徒や学生の心を遠ざけているようなのです。

 

あっちを立てればこっちが立たず…。いや、あくまでもこれは筆者の個人的な問題か…。なかなか難しいものです。先生方も同じように思い当たることはありませんか?(12/23/2023)

 

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