またまた入院ネタです。
過去に入院したことがある人なら同じように感じたことがあると思いますが、入院中に一番お世話になるのが看護師さんたちです。医師も手術、診察、重要な投薬治療などのときにお世話になりますが、病室で過ごす間のほとんどのことは看護師さんに面倒をみてもらいます。
一日に数回の検温や血圧の測定のほか、採血、点滴の交換などもしてくれます。身体の自由が効かないときは身体を拭いてくれたり下の世話さえもしてくれます。
そんな看護師さんの素晴らしさを知ったのは、今から31年前に亡くなった筆者の父が入院していたときのことでした。亡くなるまで入院していた父のことを献身的に面倒をみてくれていた看護師チームの姿を見ていて、とても感動したのを覚えています。その姿は「仕事なのだから当たり前だ」などという建前論など思い浮かばないほどのものだったと思います。
そのときのことがあったからでしょうか。自分が度々入院することになってからは、看護師さんたちとのコミュニケーションをしっかりとるようにしています。
具体的には、まず自分を担当してくれるすべての看護師さんの名前を覚えてその人を名前で呼ぶことです。単に「看護師さん」と声をかけるより「〜さん」と読んだ方がいいからです。経験の浅い看護師だけでなくベテランの看護師さんも「名前を覚えてくれたんですね」と喜びます。これは生徒の名前を早く覚えて名前で呼ぶと生徒が安心することを知っているという教師ならではの発想でしょう。
次に、あまり忙しくなさそうな午後の来室時には個人的な話もするようにしています。例えば、看護師になって何年目か、出身地はどこか、中高の部活動は何をしていたか等の単純な質問から、看護師を目指した理由は何かなどの心情的なものまであります。前者は複数の情報を得ることでその人のことを覚えやすくすることにつながっており、後者は中学校教師の間は生徒の進路指導に役立ったと思っています。
何らかのことがきっかけで筆者が教員であることが看護師にわかった場合は、たいてい「何の教科の先生なんですか?」という話になります。そんなときに「英語です」と答えたのではもったいないので、いつも「何の教科だと思いますか?」というクイズにします。そうするとおもしろいですね。これまでに数十人の看護師さんとそのやりとりをしていますが、未だに一度で当てられたことがありません。たいていは体育、数学、社会、理解、技術などが並びます。英語以外のすべての教科が出たところで、「他に何かありましたっけ?」ということすら何度もありました。私の見かけの印象がそうさせるのか(こんなにおしゃべりなのに…)、英語という教科が看護師さんの記憶に残らなかったためなのかはわかりませんが、毎回おもしろい経験をさせてもらっています。
もちろん、これらの行為によって看護師さんの本来の仕事の邪魔をしてはいけませんので、基本的には検温、血圧測定、採血などの作業をしている最中に行うようにしています。看護師さんたちも教師と同じように人と関わる仕事をしている人たちだからでしょうか。たいていはそのような話にも明るく楽しそうに付き合ってくれます。
そして、話した内容はその場でテーブルの上に置いてある紙にメモをしておきます。その情報は次にその看護師さんが来たときに役立つほか、次に同じ科に再度入院したときにも役立ちます。しばらくぶりに入院したときに前にお世話になった看護師さんに「〜出身で、〜部だった、〜さんでしたよね」と言えば、「よく覚えてくださっていましたね!」と驚かれるとともに、最初から旧知の間柄であったかのように接してくれるようになります。もちろん、荷物の中に以前のメモが入れてあってそれを読み返していたからこそできることなのですが…(笑)。
以上のことは、最終的には自分に返ってくることのために行っているとも言えなくはないのてすが、基本的には筆者の看護師さんたちへのリスペクトを表すものだと思って続けています。今回の入院中に得た情報も次回の入院時に役に立つことでしょう。本当は役に立つような事態にならない方がいいですが…。(9/9/2023)
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