一般的な教員であれば、「教え子」というのは自分が教えた児童・生徒のことを指すでしょう。もちろん、筆者の場合もそのような教え子が大勢います。中には卒業後もずっとお付き合いのある元生徒もおり、来月最初の日曜日に行われる結婚式に招待してくれた教え子は、卒業してから25年間もずっとお付き合いの続いている人です。
一方、筆者のように教育実習生を多く受け入れる学校に勤務していた教員には、「教え子」と呼ぶべき“学生”も大勢います。そうです。教育実習を指導した学生たちです。元同僚であったS先生もその一人ですし、現在元勤務校で非常勤講師をしてくれているSさんは生徒のときの教え子でも学生のときの教え子でもあります。また、半年ほど前には今から30年以上前に指導した「教え子」と講演先の学校で再開したりもしました。
そして、さらに筆者にはもう1つ別の「教え子」がいます。それは大学の授業の教え子です。「そりゃあ、今は大学の教員なんだから当然いるだろう」と思われたかもしれませんが、そうではありません。今回紹介する教え子は、2014年度~2019年度に中学校の教員をしながら埼玉大学で非常勤講師として教えていたときの教え子です。「英語科指導法」、後の「中等英語科指導法」を受講していた学生達で、年によって40数名から70名余りの教え子たちがいました。卒業後に全員が教師になったわけではありませんが、国立大学の教育学部の学生ですから、そこそこの数が教師になって今も活躍していることでしょう。
その中でも、初年度であった2014年度の教え子たちとは最も濃い付き合いがありました。当時はこちらも試行錯誤で授業をしていたためか、学生達も筆者に親近感を持ってくれていたようです。当時は何度か授業後に学食で一緒に夕食を食べたりもしました。その翌年からはこちらの“慣れ”から来る新鮮さが無くなってしまったためか、学生達との関係は少しずつドライになってしまったように感じています。
その中で初年度の授業のときに2年生であった英語専修生の4人が、卒業時(2017年3月)に「教員になる前に肥沼先生にぜひ挨拶をしたい」とわざわざ筆者の学校のある都内まで会いに来てくれました。そのときは相手が学生でもあったので、食べ放題の店で旧交を温めました。4人ともその春から教員になりましたが、その中の1人はその後も大学の授業に遊びに来てくれたりしてお付き合いが続いていました。
そしてつい先日、再び彼ら4人と会うことになりました。今回は教え子が探してくれた都内のスペイン料理店です。残念ながら、その中の1人は子育てで忙しくて指定日に来ることができませんでしたが、他の3人とは6年振りの再開となりました。嬉しいことに4人とも教員を続けてくれています。さすがにあれから6年も経っているので、全員が2校目に勤めています。しかも、そのうちの2人は「5ラウンド・システム」という特殊な指導法を実施している別々の自治体の公立校に異動しており、1人は公立小学校で英語専科の教員になっています。
いずれの人もおそらく英語教師としての腕を買われて引っ張られたのでしょうから、教科の指導法を指導した者としては嬉しいかぎりです。ただ、話を聞くと3人ともかなり忙しくて大変そうなので、身体だけは壊さないように気をつけてもらいたいものです。彼らとまた会える日を楽しみにしています。
そして、新たな“教え子”たちとの付き合いも深まることを願っています。(6/17/2023)
当時の大学の授業の様子
大学卒業時に会いに来てくれた2014年の教え子たちと
卒業して6年経ってから会いに来てくれた教え子たちと
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