エピソード37⑪:同じ附属中でも…

ある国立大学の附属中学校から別の国立大学の附属中学校へ。ほとんど聞いたことのない異動をしたことで、筆者は「ところ変われば…」をとても強く感じました。

 

公立学校でも異動するとかなり環境が変わると言われます。ただ、すべての教員が数年ごとに異動するので、同じ地域にある学校同士はほぼ平均化されているはずです。しかし、国立の附属学校の場合は長年そこに勤めている教員もいるので(置かれている都道府県によっては、自治体の教育委員会との交換人事で数年ごとにどんどんメンバーが変わるところもあるそうです)、それぞれが独特の校風を持っています。

 

筆者が勤めた2校目の学校である附属中学校は、基本的には県の教育委員会との交換人事で教員を採用しており、将来的には県の管理職となる人材を育成する機関となっています。いわば、“県教委附属中学校”みたいなところです。したがって、学校の運営は管理的で、教員同士の上下関係もはっきりしています。

 

一方、3校目に勤めた附属中学校は地元の自治体の教育委員会とは全く関係なく独自のルートで教員を採用している学校で、いろいろなバックグラウンドを持った教員(公立中、私立中、公立高、私立高の経験者、会社員等)で構成されています。そのためか、校風はとてもリベラルで、教員同士で協力はしつつもそれぞれが独立した存在に感じられます。今でもほとんどすべてのことを教員会議で話し合って決めています。議題によっては、長時間議論をした上で多数決で決めることもあります。

 

いずれの学校に異動したときも、その極端性から、慣れるのに数年かかりました。それぞれ最初の1ヶ月で体調を崩したことからもそれがわかるでしょう。もちろん、それぞれの良さを理解してからは、そこで働けることに誇りをもちながら過ごしたことは言うまでもありません。

 

“並行異動”をしたことで、とても貴重な経験をさせてもらいました。(12/17/2022)

 

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