「終礼の話」は、その多くが何らかの“教育的効果”をねらったものとして行われています。その話をすることで、何か生徒の心に残るような、生徒の心を変化させることができないかという思いがあるからです。当然、そこには指導したい具体的場面や事項があり、それをストレートにではなく、生徒が興味を持ってくれそうな話題で始めてから本題に入るというものです。
しかし、中にはその話の中に具体的な指導事項はないけれども、生徒が終礼の話を長期間にわたって聞いてみようと思ってくれそうなことや、学級という空間を居心地の良い場所にするための雰囲気作りのために行った話もあります。それらは必然的に明るい話が多くなるわけですが、中には途中でコントロールが効かないくらい爆笑の渦になった話もあります。
今回は、そのような話を『続・終礼の話』から2本紹介します。1本目は、クラス替えをしてしばらくしてからクラスの雰囲気を明るくすることをねらった話です。1年時に指導がやや大変だったと思われていたお調子者の男子2名を上手に生かすことで、その生徒の存在感をプラスの方向に仕向けることと、それを利用してクラス全体を明るい雰囲気にすることをねらっています。もう1本は、卒業する直前に3日間をかけて話したものです。2年間の担任と生徒の良好な関係を、担任の意外な側面を紹介する面白い話で爆笑の学級空間で締めくくることをねらっています。3日分あるのでかなり長くなっていますが、前提となっている話にもねらいがあることを読み取っていただけるでしょう。
今回紹介する2話は、筆者が学級経営に対して何を常に心がけてきたのかが表れている「作品」だと思います。ぜひお楽しみください。(5/12/2019)
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