ここでは、筆者が過去に執筆した研究論文のいくつかをご紹介します。いずれも研究紀要や論文集などに掲載された公開済みのものです。内容としては英語教育に関するものが中心ですが、教育一般に関するものもあります。
公開する論文は、現物をコピーしてPDFにしたものですので、リンクをクリックしダウンロードしてお読みください。なお、掲載された冊子もわかるようにしてありますので、拙著論文の内容を読者の方が引用なさるときには、出典を明記するようお願いいたします。筆者に許可を取る必要はありません。
現時点では以下のもののうち、リンクの貼られているものだけを公開しています。
1.学位論文
① A Study for an Enjoyable English Class and the Teaching of Spoken English(埼玉大学教育学部中学校教員養成課程英語科学士論文, 1985)
→学生時代に追究した「楽しい英語授業」へのアイデアと、それを高等学校の授業を借りて実践した記録をまとめた卒業論文。当時、英語の卒業論文の平均ページ数は30で、過去最高ページ数は80と言われていた記録の更新を目指して、159ページもの長編を提出したもの。当時は手動タイプライターで打ったので大変だった。なお、表紙の題字や項目名は1文字ずつの転写。
② What is TEFL Expertise? -Factors That Ensure Students' Active Participation in the English Class(東京学芸大学教育学研究科英語教育専攻修士論文,2000)
→邦題は「名人の授業を科学する」(by指導教官)。全国の英語授業の「名人」を尋ね、録画した授業の分析とインタビューの内容から、名人の授業に共通することを明らかにした論文。その年の全国英語教育研究学会の自由研究発表では、50人収容の部屋に約150人の聴衆を集めた。また、翌2001年の月刊『英語教育』3月号でその中の核となる3人の「名人」先生の授業の解説記事を発表した。
2.懸賞論文
① 「生徒が主体的に取り組むこれからのLL指導のあり方-コミュニケーション能力を高めるLLとティーム・ティーチングの融合した授業」(『STEP BULLETIN』Vol.8,39-54,日本英語検定協会,1996)※研究助成費46万円
→当時やや時代遅れになったLLに再度光をあてようと思い、LLとティーム・ティーチングを融合した授業の効果を実証的に検証したもの。申請時はLL教室のある学校に勤めていたが、助成を受けた時はLL教室のない現任校に転勤していたため、検証のための授業実践は前任校で行った。
② 「中学校入学以前の英語学習経験が中学校における英語力に及ぼす影響-英語学習歴調査と中学校3年間の英語力追跡調査の分析-」(『STEP BULLETIN』Vol.20,186-196,日本英語検定協会,2008)※研究助成費30万円
→当時実験的に始まったばかりの小学校の外国語活動が中学校における英語力伸長にどの程度影響を及ぼしているかを事象的に検証したもの。筆者が担任した学年の生徒の3年間の英語力(実技試験、筆記試験)の伸長を、中学校入学以前の英語学習歴ごとに分けて調べた。そのダイジェスト版である『STEP 英語情報』誌 2009年3・4月号の記事はこちら。
3.査読付論文
① 「入門期の授業における音声指導が音素識別能力に与える影響-音声のみによる指導とminimal pair の発音訓練をとおして-」(『関東甲信越英語教育学会研究紀要』第13号,63-72,関東甲信越英語教育学会,1999)
→中学校に入学した当初に継続して行う音声指導が音素識別能力に与える影響を、入学時、音声指導終了時、音素識別訓練終了時の3回で行った音素識別テストの結果を元に分析したもの。後に、ほぼ同じ訓練を大学生を対象に行い、その結果を発表した(全国英語教育研究学会第42回埼玉大会,2016)。なお、その結果(発表原稿)はこちらでPDFで読める。
4.自由論文
(1) 英語教育に関するもの
① Movie in Class(『埼玉県立毛呂山高等学校研究紀要』第1号,99-110,埼玉県立毛呂山高等学校,1986)
→学士論文の内容でも触れた映画を使って英語を教える方法を、筆者が実際に教える高校生を対象に実施した実戦録。
② 「生徒が意欲的に取り組むコミュニケーション活動の研究-学習課題『グループで What Am I? を行う』を通して」(『埼玉大学教育学部附属中学校研究紀要』第26集,73-84,埼玉大学教育学部附属中学校,1990)
→「私は誰でしょう?」というゲーム活動をとおして、英語の質問を作ることと質問に答えることの練習を生徒同士のコミュニケーション活動として成り立たせた実践録。後に現任校で15年間にわたって継続的に行われた活動の原型となったもの。
③ 「『英語通信』による深化補充と学習意欲向上の試み」(『埼玉大学教育学部附属中学校研究紀要』第29集,45-56,埼玉大学教育学部附属中学校,1993)
→「聞くこと」「話すこと」を中心とした言語習得を目指した授業では指導しきれなかった教養面の指導を行う資料としての英語通信活用の実践録。
④ 「『話すこと』のコミュニケーション能力を高める『書くこと』の指導」(『埼玉大学教育学部附属中学校研究紀要』第31集,55-64,埼玉大学教育学部附属中学校,1995)
→とかく”上滑り”だと批判されがちな「話すこと」の活動を地に足のついた活動にするために、「書くこと」の指導を生かそうとした実践録。
⑤ 「これからの英語科教育研究のあり方-実証的研究、形成的実践研究、自己研修の勧め-」(『SURE』第2号,23-30,埼玉大学英語教育研究会,1998)
→これからの英語科教育研究に必要なのは、単なる実践録でも数字のみを問題にした実証研究でもなく、両者を融合した研究であり、それを可能にする自己研修が必要であるということを論じたもの。
⑥ 「minimal pair による音素識別訓練が 大学生の音素識別能力向上に与える影響の調査」(『全国英語教育学会第42回埼玉大会発表予稿集』, pp.262-263, 全国英語教育学会, 2016)
→3.①の研究の”姉妹編”として大学生を対象に行った研究。偶然にも実験群と対照群になった、年度のちがいによる指導内容のちがいが、学生の音素識別能力向上にどのような影響があったかを調査したもの。ただし、厳密に言えば「論文」ではなく、研究発表を行うための資料的原稿である。
(2) 教育一般に関するもの
① 「エンカウンターを利用した良好な学級集団作りの試み-レクレーション活動『学級自治会』をとおして-」(『筑波大学附属中学校研究紀要』第54号,133-145,筑波大学附属中学校,2002)
→筆者が担任する学級で仲間同士で協力しないとできないレクレーション活動を行うことで、構成的グループエンカウンターの集団作りに対する効果を検証しようとした実践録。
② 「『情報リテラシー学習』における『ディベート』の指導ー正・副担当交代制によるティーム・ティーチングの実践-」(『筑波大学附属中学校研究紀要』第54号,147-172,筑波大学附属中学校,2002)
→総合学習の一環として1年生で実施した「情報リテラシー学習」の一分野である「ディベート」の指導の実践録。なお、一応共著扱いであるが、資料以外は筆者の原稿。
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