現行の教科書多くでは、今回の導入文は比較的後の方に出てきます。しかも、場合によっては文型としてではなく、「A or B」という連語扱いで掲載されることもあります。しかし、勤務校では少し前に ⑩ Is this(that) a/an ~? Yes, it is./No, it is not. It is a/an ~.)を扱っていて、それを上手に利用すれば比較的簡単に導入できるので、この時期に新文型として導入してしまうのが定番となっています。
では、具体的な導入方法を紹介します。導入過程の中の T: は教員の発言、S: は生徒全体または大勢の生徒の実際のまたは想定される発言、S1:, S2: は生徒個人の実際のまたは想定される発言を表します。なお、発言中の太字は強調して発音する部分です。また、「スピーチ・バブル」とは台詞の吹き出しマークを描いた絵カードのことです。平叙文を言わせるための空のスピーチ・バブルと、その裏側に疑問文を言わせるための「?」マーク入りのスピーチ・バブルの2つを用意して使い分けます。
◇Introduction of the New Expressions
(0) Review for Introducing New Expressions
(定規のシルエットを見せて)
T: Look at this picture. What is this?
S: It is a ruler. ※"It's" の言い方はまだ教えていない。
T: Is this a ruler?
S: Yes, it is. It is a ruler.
T:(絵を表にして)Yes, it is. It is a ruler.
(1) Input of the New Expressions
①(初めて見せる物のシルエットを見せて)
T: Look at the next picture.
S: なんだあれ?
T: What is this?
S1: Pen!
S2: Pencil!
T: All right. Pen or Pencil. You have two choices. (「?」のスピーチバブルを自分にかざして)In this case, my question is... "Is this a pen or pencil?"(☓2)
(シルエットの裏の絵を見せて)
T: The answer is ... "It is a pencil."
②(別の初出の物のシルエットを見せて)
T: Look at the next picture. What is this?
S1: Cat!
S: ....
T: OK. Let's have two choices, a cat or a tiger. But this time...(「?」のスピーチバブルを生徒に向けて) In this case, your question is... "Is that a cat or a tiger?"(☓2)
S1: Tiger!
S2: Cat!
(シルエットの裏の絵を見せて)
T: The answer is ... "It is a tiger."
(2) Check of Understanding and Mim-Mem
①(最初のシルエットを持って)
T: Let's go back to the first question. You have two choices, pen or pencil, right?
S: Yes.
T: (「?」のスピーチバブルを自分にかざして)Then my question is ...?
S: Is this a pen ... or ... a pencil?
T: Good. Say that again?
S: Is this a pen or a pencil?
T: That's right. Please repeat, "Is this a pen or a pencil?"
S: Is this a pen or a pencil? →Mim-mem
※生徒の方から(1)①で聞かせた疑問文が出てくれば理解できているものとします。a pen or a pencil では or の前が上昇調、or の後が下降調になることを注意して練習させます。
②(2つ目のシルエットを持って)
T: Let's check the second question. You have two choices, cat or tiger. But the question is YOUR question, not MY question. (「?」のスピーチバブルを生徒に向けて) In that case, your question is...?
S: Is... that... a cat or a tiger?
T: Say that again?
S: Is that a cat or a tiger?
T: Good. Please repeat, "Is that a cat or a tiger?"
S: Is that a cat or a tiger? →Mim-mem
※this と that の位置関係を明確にするため、教師が手に持っている物を教師のつもりで言うといは this、生徒が離れた場所から言うときは that を使わせるように訓練しておきます。そうすることで、「これ」「あれ」という日本語によるのではなく、実際の場面を判断して this と that の使い分けができるようになります。この時点ではすでに以前の文型のときにその訓練はできていましたが、再度確認した上で使わせています。
(3) Oral Practice
<やり方>
下のハンドアウトと同じシルエットの絵(大きい絵)を黒板に貼り(またはプロジェクターで示し)、生徒に2つの選択肢を考えさせてから目標文を練習させます。それぞれが何に見えるかということを生徒から引き出すと大変盛り上がります。
◇Oral Practice with a Worksheet
左のハンドアウトを生徒に渡して口頭練習をさせます。
<課題1><課題2>
シルエットと答えの選択肢を見て、"Is this/that A or B?" の質問文と答えの文を練習させます。
① a pencil, a pen ② a train, a glass
③ a cat, a tiger ④ a guitar, a violin
⑤ a book, a computer ⑥ a TV set, a video recorder
※⑥は今では使えないでしょう。
<課題3>
ペアで活動させます。それぞれ自分の答えをあらかじめ決めさせておき、相手に質問をして答えてもらう活動です。答えをいくつ当てられるかというゲーム性が活動をより活発にさせます。
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