3. 日々の授業の「型」を作ること

英語の授業を指導場面ごとに分けると、「復習」、「新教材の導入」、「練習」、「コミュニケーション活動」、「まとめ」、「発表」、「小テスト」、「宿題の確認」などがあります。教科書を使って授業をする場合、通常のレッスンの本文や新文型があるページでは、指導の流れの「型」を作っておくことが大切です。

 

最大の理由は、指導の流れの「型」ができていると、活動と活動の間の無駄な説明の時間を省略でき、生徒に余分な負担をかけずに効率よく授業を運営できるからです。特に、「授業は英語で行うことを基本とする」という現行の中学校学習指導要領に示されている指導法ではより重要になってきます。英語で授業をするとなれば、日本語のときのような詳細で微妙な内容を含む指示を出すことが難しくなります。そのような場合でも、指導の流れの「型」ができていれば、最低限の指示で生徒に活動をさせることができます。

 

また、指導の流れの「型」があれば、毎時間の授業でその指導が行われるので、繰り返しによる指導効果も期待できます。生徒も授業の流れに慣れれば、頭の中で授業の流れを予想しながら活動に取り組むことができ、結果として理解を促進することができ、理解したことを定着させることもできます。

 

ただ、「型」に入っていない活動で培われるであろう力は抜け落ちてしまうかもしれません。授業ですべてを指導することは不可能だからです。そこで、授業で指導すべき内容を吟味し、それを組み合わせた指導の流れの「型」を作るのです。その場合に大切なのが、授業でしかできない活動を優先するということです。指導できる時間は限られていますから、家でもできることより授業でしかできないことを指導の流れの「型」に組み込むようにします。

 

先述の指導場面として取り上げたものの中で、筆者の日頃の授業の流れの「型」に組み込まれているのは、「復習」、「小テスト」、「新教材の導入」、「練習」、「まとめ」です。これに教材内容や指導時期によって「コミュニケーション活動」や「発表」などが加えられます。それぞれの指導場面の重要性と実際の指導内容は別ページで紹介していますので、興味のある方はそちらを参照してください。

 

 

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