6. カリキュラム・マネジメント

新学習指導要領に記されている用語の中でやや異質な感じがするのが「カリキュラム・マネジメント」です。”異質”だと言うのは、その内容もさることながら名称そのものもです。それは、「カリキュラム」ということばが何を指すのかを明確に知っていなければいけませんし、後半の「マネジメント」ということばもどのようなことまで含んでいるのかということを理解していないと、全体として何が教員に求められているのかがわからないからです。つまり、2つのカタカナ語のそれぞれが表す内容とさらにそれらが1語になった場合の意味をしっかり理解しないといけないというわけです。

 

実は、筆者自身もこの用語に関して「きっとこういうことなんだろうなあ…」という漠然としたイメージはあったのですが、はたしてそれが学習指導要領で求められていることと合致しているのかということに関してはまったく自信がありませんでした。そこで、他のコーナーと同様に筆者自身の疑問点を解決するという方向で話を進めていきたいと思います。また、並行して筆者が編集委員を務めている『指導と評価』という雑誌で筆者が「カリキュラム・マネジメント」に関する連載記事(2022年4月号、6月号、7月号)を書くことになりましたので、その過程で見えてきたことも加えていきます。

 

なお、全体としてかなりの量の文章になりますので、次の3ページに分けて記事を書いていくことにします。順次アップしていきますので、どうぞお楽しみに。

 

(1) カリキュラム・マネジメントの定義と「育てたい生徒像」の構築

 

(2) 個々の授業の構成を考える前に行うべき作業

 

(3) 授業を構成する際の留意点と小中・中高の一貫カリキュラム編成のあり方

 

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