これまで教科書のQ&Aといえば、教師が質問して生徒が答えるというのが一般的でした。しかし、これでは生徒は常に受け身に回ってしまい、自分から話しかけようとする姿勢は育ちません。そこでQを生徒に自由に作らせてお互いに問答し合わせれば、より主体的に取り組むのではないかということをねらってこの活動を始めてみました。
この活動は、生徒にとって身近な教科書を使って「話すこと」のコミュニケーション能力を高めることをねらったものですが、あらかじめ質問文を作る、予想される答えの文を作るということから、「書くこと」の指導にもなります。
この活動にあたっては、少なくともそれ以前に英語でQ(教師)&A(生徒)という活動を日頃から十分行ってきていることが前提となります。つまり、どのような視点でQを作ったらいいのかを示しておく必要があります。
次のステップとして実際に生徒にQを作らせることになりますが、授業中の指導としては次のような点に留意します。
・毎時、授業の最後の5~10分を質問作りの時間にあてる。
・最初は1文から始め、徐々に質問の数を増やしていく。
・答えのすぐ出るものから、行間を読んだり、考えを問うようなものを作らせていく。
・次時の復習時間でペアで問答させ、互いに評価させる。
・希望者には教師にQを出す機会を与え、自信作を披露させて意欲を喚起する。
(旧教科書 Further Reading:Part 6)
・Why did he think of selling the yatch?
・Did Mr.Nagae give up his dream?
・Was the yatch sold?
・Do you think he was happy when he was going to sell the yatch?
・Who gave him a job?
この活動の主な評価方法としては、「作品確認法」と「観察法」が考えられます。まず、「書くこと」の能力をみる方法としては、事前及び事後に作品(Q)をチェックするのが一番でしょう。また、それに関連した「話すこと」の能力や態度は、活動中の様子を観察したり、答え(A)の記録をチェックすることで評価できます。
この活動では、活動開始直後はQ作りに戸惑っている生徒もいましたが、回を重ねる毎に要領がわかってきたようです。Qの内容については様々で、教科書からすぐに答えを探せるものから相手の意見を問うものまでありました。毎回全員が意欲的に自信をもって取り組んでいましたが、これはQ作りの時間をきちんと確保して十分な準備をさせたことと、自分の作ったQを発表できるという喜びからと思われます。そして、対教師活動でも毎回多数の生徒が積極的に質問を出してくれました。
活動後のアンケートでは、Q作りについて81%の生徒が「大変だった」と言っていました。また、指導する側としては話す力をつけることを目的としていたのですが、「英作文の力がついた」が54%で感想のトップであったことは興味深いと思います。「書くこと」と「話すこと」の指導の関連性を改めて認識しました。
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