教え子の活躍2

以前に「教え子の活躍」と題して、テレビ等のメディアで活躍する教え子のことを紹介しました。今回はその第2弾です。ただし、今回は全国区のメディアに出ている卒業生ではなく、地道に努力しながら自分の夢に向かって歩みを進めている一人の教え子です。

 

平成19(2007)年度卒業の教え子たちは、筆者の娘と同い年ということもあって可愛がったからでしょうか。卒業してからも付き合いが続いている人が多くいます。その中の一人に、美術の道に進んだFさんという女性がいます。その彼女から今年の年賀状として、都内の小さなカフェで開く個展の案内をもらいました。

 

Fさんがかつて通っていた美術学校の近くにあるカフェということもあり、そこで個展を開くには1年以上も待たなければならないようなところでの開催でした。新年は入試の準備で目から火が出るほど(?)忙しかったのですが、なんとか冬休み最後の日に時間を作って夕方出かけてきました。

 

Fさんの作品は、筆者が持っている中学生時代の彼女のイメージにぴったりのものでした。彼女はその可愛らしい見かけと優しく明るい性格から「クラスみんなの妹」と呼ばれていた生徒でしたが、その彼女の決して急がず、何でもじっくり丁寧に行なおうとする性格そのものが現れた作品だと思いました。

 

画廊に勤めながら画家の道を歩むFさんと

(2020年1月の個展で)

 

 

※写真掲載の許可は取ってあります。

 

さて、カフェで彼女を小一時間独占して一緒に作品を見ていたところ、彼女から嬉しい話を聞きました。なんと、昨年「FACE展」というコンテストに応募した彼女の作品が入選して、2月中旬から新宿のSOMPO美術館に展示されるにことになったということでした。同美術館は、旧安田海上火災保険株式会社がバブルの時代にゴッホの「ひまわり」を購入して飾っているということで有名なところです。そんなところに、彼女の作品が「ひまわり」と並んで(?)展示されるなんて…。これは絶対に見に行かなければと思いました。

 

そして、会期最終日の一日前に、彼女の1年次の担任であったK先生(筆者は2・3年次の担任)を誘って見に行きました。応募作品1400点以上の中から選ばれた80点余りの1つでしたから、もうそれは素晴らしい作品でした。しかも、現代アートの展覧会であるためか、どちらかと言うと派手で強烈な印象が強い作品が多い中では異彩を放つ、淡い印象を与える、遠くから見ても彼女の作品だとすぐにわかるものでした。

入選作品

 多くの作品が展示されている中で、遠くから見ても一目で彼女の作品だとわかりました。1月の個展で見た作品と作風がよく似ています。

 

 ところで、「美術館で写真なんか撮っていいの?」という声が聞こえてきそうですが、同美術館は全館で写真撮影が可能になっています。

「FACE展」入選作品の前で

 左から1年次の担任のK先生、作者のFさん、筆者です(写真はFさんの妹さんが撮ってくれました)。今回の出品作品がいかに大きな作品であったかがわかります。

 

 

※写真公開の許可は取ってあります。

 

そのFさんは、この4月から東京を離れてしばらく山形で暮らすそうです。そちらでも創作活動を続けるということなので、今後どんな素晴らしい作品を製作してくれるのかとても楽しみです。

 

なお、SOMPO美術館にあるゴッホの「ひまわり」を見ずに帰るのももったいなかったので、Fさんの作品を楽しんだ後に、出口の直前にある“それ”も見ました。なんと、こちらも写真撮影可能でした。ただし、さずがに50億円以上もかけて購入された作品であるので、他の作品とは異なる厳重な隔離状態での展示となっていました。公開当初は長蛇の列に並んで見なければならないことが話題になりましたが、今回は閉館間際であったこともあって、ほぼ貸切状態で同作品を堪能することができました。


 

今回はFさんのおかげで心が豊かになる時間を過ごさせてもらいました。(4/11/2021)

 

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