「つぶやき」のコーナーは本来とりとめのないことをつぶやくつもりで設けたものなのですが、これまでは結果的に新しくアップしたページの解説のようなものばかりになってしまっていました。そこで、今回はホームページの内容とはまったく関係のない話におつきあいください。
筆者が勤めている学校では、100年以上前から同じ場所で臨海学校を行っています。余りにも昔からやっている行事なので、今でも行事が始まる前日には地元の名士(町長、教育長、小学校長、中学校長、消防署長、郵便局長…ら)を集めて「開寮式」なるものを行っているくらいです。
今年も先日それがあって筆者も参加しました。そして今は行事の最中でそこに来ています。「えっ?行事の引率中にパソコンを打って、ネットの更新をしているの?」と思った人もいるでしょう。実は、引率者として来ているのではなく、勤務校(正確には勤務校が運営する財団法人)が所有する寮の「番頭さん」としてきているのです。ですから、引率の先生方とはちがって、自由な時間がいっぱいあるのです。
さて、その寮ですが、これがまたレトロ感満載の建物です。昭和32年に改築されたもので、生徒たちが生活する「生徒舎」はちょうど今ではほとんど残っていない木造の古い校舎のような建物です。廊下は板張りで、歩くとミシミシ音がします。各部屋のドアは開けるとガラガラと音がする木の引き戸で、ガラスは磨りガラス(わかりますかねえ…)なので、乱暴に閉めたりすると衝撃で割れてしまうこともあります。生徒が寝る場所は一段高くなった畳の部分が両側にあり、そこに生徒たちはウナギの寝床のように並んで寝ます。ただ、以前くみ取り式であったトイレは浴室棟と共に15年前に鉄筋コンクリートの最新式のものに造り替えられており、生徒舎とトイレ棟のつなぎ目はタイム・トンネルのようです。
普段生活している家とはまったくちがう、テレビや携帯もない、ましてや冷房もない、そんな昭和の雰囲気の中で、生徒たちはふんどし姿の卒業生から日本泳法を習っています。ちょうど今放送されているNHKの大河ドラマ『いだてん』の中でも紹介されていた泳法ですね。前半の番組で紹介された日本泳法は浜名湖で代々行われてきた流儀だそうですが、8月中旬に放映される分は筆者の勤務校の卒業生たちの団体が指導した泳法で役者さんたちが演技するそうです。筆者も、着任した25年前にその団体の「師範」(もっとも偉い人)にマンツーマンで教えていただき、新鮮な感動を覚えました。
そんな場所にほぼ毎年のように来ている筆者にとっては、臨海学校は恒例の夏の風物詩となっています。(7/27/2019)
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