みなさんは「167. 先生方へのメッセージ」で紹介したELEC(英語教育協議会)に筆者が寄稿したエッセイをお読みいただけたでしょうか。あまりの長文に(?)途中で読むのをやめたという方もいらっしゃるかもしれませんね(笑)。
さて、そのエッセイの最後の方に以下のようなくだりがあります。
私は、英語教師とは児童・生徒に「夢を与える」仕事だと思っています。他教科に比べると、教えている時点では実生活に役立つことがあまりないようなことを扱っていますが、長い目で見れば児童・生徒の将来に大きな影響を及ぼす可能性のあることを教えているからです。その成果は彼らが在学中にはあまりわかりませんが、卒業後何年もしてからわかることが少なくありません。(※実際の記事のコピー)
上記の最後の文は、自分が英語を教えた卒業生が卒業後にさらに英語学習を頑張って、自分の将来の仕事として英語を使う仕事をするようになったり(「33. 教え子を講師に招く」参照)、筆者の英語の授業が自分の将来に影響を及ぼしたと言ってくれる卒業生が集まってくれたり(「152. 卒業生に感謝」、「159. 卒業生に感謝(その2)」参照)してくれたことなどが念頭にあって書いたことです。
さて、「土台を支える経験」のコーナーを見ていただくと、その2つ目に「2. アメリカ留学」というサブコーナーがあります。これは筆者が大学時代にアメリカの大学に留学したときのことを約30年前に生徒向けに「英語科通信」という記事にして紹介したものですが、それを旧HP用に編集し直すとともに、その記事を土台にした話をその後も自分が教える生徒たちに授業でしてきました。特に、自分が担任した学年では多めの時間をとってじっくり話しました。そうすると面白いもので、その学年や自分の担任クラスの生徒が他学年よりもはるかに多く高校時代に中期(1年間)や短期(1ヶ月程度)の留学をしたのです。そして、彼ら/彼女らの多くが「先生の話に影響された」と言っていました。
そのような中で、つい先日も筆者にとっては嬉しいニュースがありました。
筑波大附属中を定年退職してからも、「英語科教官列伝」のコーナーでも紹介している「卒業生列伝」を、著者である山口正先生に代わって定期的に(月に1、2度)現職の教職員に配付するために学校に行っているのですが、つい先日もほぼ1ヶ月ぶりに配付に行きました。すると、私の姿を見かけたある3年生の男子が英語科準備室に私を訪ねに来てくれました。その生徒は筆者が2年次に教えた生徒です。その生徒が、「肥沼先生にぜひ聞いてもらいたい話があって来ました」という、少々こちらを緊張させるような出だしで、次のようなことを話してくれました。
彼(Yくん)は、筆者のアメリカ留学の話に興味を持ち、自分も高校時代に留学してみようと思ったそうです。そして、行くのであれば奨学金を獲って行こうと考え(筆者が「親のすねをかじらず、自分の力で奨学金を勝ち取って行くように」と話したことが影響したようです)、頑張って勉強して、AFSの全額支給の奨学金を勝ち取り、高1の8月からアメリカの高校に1年間留学することがつい先日決まったのだそうです。そして、「この話をそのきっかけを作ってくれた先生にぜひ聞いてもらいたくて来ました」と言っていました。
この話を聞いたとき、自分の蒔いた種が時ーしかも比較的短い時ーが経ってから見事に花を咲かせてくれたのだと大変嬉しく思いました。そして、この話を聞いていた他の英語科の先生方も一緒に喜んでくださいました。
やはり、英語教師は生徒に「夢を与える」仕事であるということを再認識したエピソードでした。(11/26/2022)
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